第一章: 紅蓮の空と白衣の檻
血のように赤く燃え上がる、紅蓮の空。
[Shout]轟音![/Shout]
大気が震え、眼下のビル群を覆う硝子窓が粉々に弾け飛ぶ。吹き荒れる熱風。焦げた鉄とコンクリートの臭気が、容赦なく鼻腔を焼いた。
色素の薄い茶髪のボブヘアが乱れ、虚ろな琥珀色の瞳には、世界の終焉が幾何学模様のように反射して揺れる。シワ一つない白衣の下、白いブラウスと黒のタイトスカートに包まれた柊結衣の体。それは、氷室蒼星の腕の中にすっぽりと収まっていた。
[A:氷室 蒼星:狂気]「これで73回目だ。次は私だけを見てくれ」[/A]
首筋の動脈に食い込む長い指。鋭い痛みが奔ると同時に、耳朶を舐め上げるような甘い吐息が鼓膜を震わせた。背骨の奥から痺れが這い上がり、結衣の足の指が靴の中でギュッと縮こまる。
[Blur]視界が白く明滅し、意識が暗い水底へと沈んでいく。[/Blur]
[FadeIn]——息を呑んで跳ね起きた。[/FadeIn]
シーツを握りしめる手のひらが、じっとりと汗ばむ。冷たい空調の風。薬品の匂いが混じる、無機質な研究所の仮眠室。
時計の針は戻っていた。崩壊の半年前へと。
電子音が鳴り、重い扉が開く。
現れた三人の男。黒髪をオールバックに撫でつけ、オーダーメイドのダークスーツの上に塵一つない白衣を羽織る氷室。銀縁眼鏡の奥の三白眼が、結衣の乱れた呼吸を舐め回す。
その隣には、アッシュブロンドの長めの髪を揺らし、最先端のハイブランドのカジュアルスーツを着崩した西園寺蓮。強烈に甘い香水の匂いが、狭い部屋の空気を侵食してくる。
背後には、漆黒のタクティカルスーツに身を包んだ巨漢、御堂鋭一。顔の古い傷跡を引きつらせ、猛禽類のような瞳で結衣の退路を塞ぐように立つ。
[A:氷室 蒼星:冷静]「心拍数が異常だ。悪い夢でも見たか、結衣」[/A]
[A:柊 結衣:恐怖][Tremble]「いえ……大丈夫、です……」[/Tremble][/A]
[A:西園寺 蓮:愛情]「無理しちゃダメだよね。君は僕たちの大切な『特異点』なんだから」[/A]
[A:御堂 鋭一:冷静]「俺の目の届く範囲から出るな。お前は俺が守る」[/A]
優しい言葉とは裏腹に、彼らの瞳の奥に宿る光は異様だ。とうに超えていた。過去のループで向けられていた「管理」や「庇護」の領域など。
[Pulse]もっと暗く、泥のように粘つく狂愛の執着。[/Pulse]
肌に残る微かな熱。首筋に残る幻の痛み。それらが、これから始まる地獄の序曲を告げる。
◇◇◇
第二章: 摩天楼の贄
地上五十階のペントハウス。煌びやかな東京の夜景が、巨大なガラス窓の向こうで冷たく瞬く。
特異点エネルギーを安定させるための、極限の交感儀式。
[A:西園寺 蓮:興奮]「世界を救うためだよ。君が僕たちの波長を受け入れないと、大災害が起きる。……わかってるよね?」[/A]
[A:柊 結衣:悲しみ]「私が耐えれば、それで済むことですから…っ」[/A]
[Sensual]
冷たいガラス面に押し付けられた頬。背後から迫る西園寺の甘い香水と、御堂が纏う微かな硝煙の匂い。
黒のタイトスカートの裾が乱暴に捲り上げられ、剥き出しの太ももの内側に、御堂の無骨な指が食い込む。[Tremble]ゾワリ、と背筋に鳥肌が立つ。[/Tremble]
[A:御堂 鋭一:興奮][Whisper]「力が入っている。もっと脱力しろ。俺の体温を感じるんだ」[/Whisper][/A]
服の上から、急所を的確に焦らす熱い指先。直接的な交わりはない。それなのに、結衣の白衣の下では、ブラウスがじっとりと汗と熱で肌に張り付き、胸の先端が硬く尖り始めている。
[A:西園寺 蓮:興奮][Whisper]「耳まで真っ赤だ。僕たちの指だけで、こんなに濡らして……いやらしい子」[/Whisper][/A]
耳の裏を舌でなぞられ、結衣の喉から[Heart]ヒッ[Heart]と情けない音が漏れる。
最奥の柔らかな襞から溢れ出す甘い雫が、下着をじっとりと重くしていく。使命感という名の薄皮一枚で繋ぎ止めていた理性が、ドロドロに溶かされていった。
[A:柊 結衣:照れ][Tremble]「あ、だめ……そんなところ、触ら……っ!」[/Tremble][/A]
[/Sensual]
抗議の声は、甘い嬌声に塗り替えられる。
彼女は気づいていない。自分自身が、男たちの支配と蹂躙に無意識の渇望を抱いていることに。
そして、この快楽がもたらす熱狂こそが、世界を崩壊へと導く時限爆弾であるという残酷な真実に。
◇◇◇
第三章: 絶望の箱庭
深夜の特異点研究所。メインサーバーの冷却音が、広大な地下室に響き渡る。
セキュリティを突破し、過去の膨大なデータを照合していた結衣の指が、キーボードの上で凍りつく。
[Flash]エラーコード:愛欲の暴走。特異点エネルギー逆流。[/Flash]
[Impact]大災害を引き起こしているのは、結衣を独占しようとする彼ら自身の嫉妬だった。[/Impact]
誰か一人が結衣の肉体を貫き、完全に所有した瞬間。他者の殺意と狂気がトリガーとなり、世界が赤い炎に包まれるのだ。
[A:氷室 蒼星:冷静]「私の管理下を抜け出して、こんな深夜にデータ漁りとは感心しないな」[/A]
背後の暗闇から、銀縁眼鏡を冷たく光らせた氷室が進み出る。その後ろには、西園寺と御堂の姿。
[A:柊 結衣:絶望][Tremble]「あなたたちは、知っていたの……? 私が世界のために、自分を殺して身を捧げていることも……これが、あなたたちのせいだということも!」[/Tremble][/A]
[A:西園寺 蓮:喜び]「当然だよね。君のその健気な自己犠牲の顔、ゾクゾクするほど可愛いんだもん」[/A]
[A:御堂 鋭一:怒り]「逃げる気か。お前の居場所は、俺たちが用意した檻の中だけだ」[/A]
彼らはループの元凶でありながら、その記憶を保持したまま、結衣の絶望を極上のスパイスとして味わっていた。
膝から力が抜け、冷たい床に崩れ落ちた。喉の奥で詰まった嗚咽が、声にならずに漏れる。
世界を救うための美しい嘘が、音を立てて砕け散る。残されたのは、狂人たちに弄ばれるだけの、血肉の玩具としての未来。逃げ道など、最初からどこにも存在しない。
◇◇◇
第四章: 奈落の愛撫
光の届かない地下特別隔離室。
完全なる暗闇の中、視覚を奪われた結衣の聴覚と触覚だけが、異常なまでに研ぎ澄まされていく。
[Sensual]
[A:柊 結衣:恐怖][Shout]「いや……やめて、こないでぇぇぇ!!」[/Shout][/A]
手首と足首を拘束する、冷たい革の感触。
誰のものともわからない手が、結衣の白い肌を執拗に這い回る。
[Pulse]ドクン、ドクン、ドクン。[/Pulse]
甘い香水が鼻腔をくすぐったかと思えば、顎を掴まれ、強引に唇を塞がれる。舌が口腔内を蹂躙し、唾液が混じり合う卑猥な水音が、静寂の部屋に反響した。
[A:御堂 鋭一:興奮][Whisper]「いい子だ。もっと俺の熱を感じろ」[/Whisper][/A]
[A:西園寺 蓮:狂気][Whisper]「ここ、こんなに熱くなってる。世界なんてどうでもいいでしょ? 僕たちと一緒に狂っちゃいなよ」[/Whisper][/A]
昂る花芯を的確に弾かれ、背中が弓なりに反る。足の指が縮こまり、白目を剥きそうになるほどの電流が脳髄を駆け巡る。
[A:氷室 蒼星:興奮][Whisper]「君の心拍数は140を超えている。体温も上昇し続けている。君の肉体は、完全に私の管理下にある」[/Whisper][/A]
[A:柊 結衣:狂気]「ああっ、あ……っ! おねがい、もう……狂わ、ないで……っ」[/A]
とろけるような蜜の奥底に、熱い指が複数突き入れられ、内壁を無慈悲に掻き回される。[Glitch]グチュ、チュプ、卑猥な水音が脳髄を侵食した。[/Glitch]
抵抗すれば世界が終わる。その重すぎる鎖すら、いまや彼らが与える圧倒的な快感の前では意味を成さない。
よだれが口端から垂れ、首を激しく振る。自己犠牲という美しい大義名分は消え失せ、ただ果てることだけを乞う肉の獣へと貶められていく。
[/Sensual]
もう、誰の指でもいい。この熱で、私をドロドロに溶かして。
思考が真っ白に染まり、底なしの快楽の沼へと深く、深く沈んでいく。
◇◇◇
第五章: 狂愛の特異点
[Shout]空が、割れた。[/Shout]
運命の日。赤い流星雨が、再び東京の夜空を焼き尽くしていく。
崩壊の轟音が響き渡る中、研究所の屋上で、四人は世界の終わりを見つめる。
[A:氷室 蒼星:絶望]「また、失敗か。君を誰か一人が完全に所有することはできない。この呪われたループは永遠に続く」[/A]
氷室の言葉に、結衣はふわりと微笑む。
虚ろだった琥珀色の瞳には、いまや明確な狂気の光が宿っている。
彼女はシワだらけになった白衣を脱ぎ捨て、黒のタイトスカートのホックに手をかける。
[A:柊 結衣:狂気]「なら、ループなんてさせなければいい。誰か一人を選ぶから、世界が嫉妬で焼かれるんでしょう?」[/A]
[A:西園寺 蓮:驚き]「結衣……? 何を言ってるんだい?」[/A]
[A:御堂 鋭一:驚き]「おい、よせ。そんな体で何をする気だ」[/A]
[Sensual]
結衣は自ら、三人の男たちを抱き寄せた。氷室のスーツの襟を掴み、西園寺の首に腕を絡め、御堂の分厚い胸板に頬を擦り付ける。
[A:柊 結衣:愛情][Whisper]「世界なんて、もうどうでもいい。三人同時に、私の中に愛を注いで。あなたたちの熱で、私を壊して」[/Whisper][/A]
[Impact]理性の完全な死。[/Impact]
男たちの瞳に、凄絶な熱情が灯った。
赤い閃光が降り注ぐ中、凶暴な欲望の塊が、容赦なく結衣の肉体を貫き、一つになる。
[A:柊 結衣:興奮][Shout]「あ、あ、だめ、壊れる、真っ白になる……っ! すごい、奥まで、全部……っ!!」[/Shout][/A]
交わりの熱。白き熱を帯びた生命の雫が、最奥へと爆発的に放たれる。
三人から同時に注がれる圧倒的な快楽に、結衣の全身が痙攣を繰り返す。
[/Sensual]
[Flash]世界が白く染まる。[/Flash]
狂気の中でしか得られない、歪んだ平穏。世界と引き換えに手に入れた底なしの愛憎の海に沈みながら、結衣の瞳からは、かつてない恍惚の涙が溢れ落ちていた。
[System]特異点崩壊。愛欲のループ、完了。[/System]