第一章: 終わりの始まり
砕け散った月の破片が、青白い雪のように降り注ぐ廃墟の駅。
空は紫がかった群青から絶望的な漆黒へとグラデーションを描き、星屑が割れた硝子のように鋭く瞬く。
鼻腔にねっとりと絡みつくのは、錆びた鉄の臭気と湿った泥の匂い。
夜風に煽られ、重く翻るボロボロに擦り切れた漆黒の外套。その下から覗く、冷たい金属光沢を放つ武骨な戦術用ハーネス。無造作に伸びた黒髪の隙間。光を一切宿さない群青色の三白眼が、足元の「惨状」を冷徹に見下ろしている。
[A:ノア:冷静]「……限界か」[/A]
崩れかけたプラットホームの泥に塗れ、虫の息で喘ぐかつての『白の聖女』ルミナ。
陽光を編み込んだような銀色の長髪は酷く汚れ、高潔だったはずの純白の聖職衣は無惨に破れ果てている。露出した透き通るような白い肌。その左腕と太腿の一部が、脈打つたびに美しい星屑の宝石へと変異していく。
触れた傍から快楽と共に身体が宝石に変わる奇病、『結晶化病』。
[A:ルミナ:絶望]「あ……あぁっ、嫌……くだ、さい……っ」[/A]
[Sensual]
喉の奥で詰まった嗚咽。それがひび割れた声となって漏れ出す。
震える指先がすがりついたのは、ノアの泥に汚れたブーツ。
[A:ノア:冷静]「僕を追放した時、君はもっと気高かったはずだ」[/A]
しゃがみ込み、冷たい指先で彼女のうなじを撫で上げるノア。
[Tremble]ビクッ[/Tremble]と、弓なりに反るルミナの背中。指先から伝わる彼の体温。急激に荒くなる彼女の呼吸。
[A:ルミナ:狂気]「お願い、ノア……『治療』、して……っ! 狂い、そう……っ」[/A]
[Whisper]「……哀れだな、聖女様」[/Whisper]
細められる群青の瞳。
ノアの手が破れた布地を乱暴に引き裂く。柔らかく膨らんだ柔肌の谷間に這い寄る指先。
[Heart]ドクン、ドクン[/Heart]と、直接手のひらに伝わるルミナの心音。
[A:ルミナ:興奮]「ひぃっ……!」[/A]
夜気の中に充満していく甘い香り。汗と蜜が混じった、ひどく扇情的な匂い。
濡れそぼった柔らかな花芯を、彼の指が容赦なく弾く。
[A:ルミナ:狂気]「ああっ! だめ、そこは……っ、もっと……っ」[/A]
涎が口の端から垂れ、限界まで開く瞳孔。白目を剥きそうになるほどの強烈な電気信号。それが結晶化の激痛を快楽で塗り潰していく。
自らの熱く滾る欲望の塊を解放し、彼女の火照る蜜壺へと、容赦なく楔を打ち込むノア。
[Impact]グチュッ![/Impact]
[A:ルミナ:絶望]「あ゛あ゛ぁぁぁっ!!」[/A]
[Pulse]肉と肉がぶつかり合う卑猥な水音が、静寂の駅に響き渡る。[/Pulse]
[A:ノア:冷静]「君が壊れる音は、この世界の崩壊よりも美しい」[/A]
理性を焼き切る、徹底的な寸止めの愛撫。
彼女の内部で暴れ狂う彼の熱。それが侵食する宝石を無理やり溶かしていく。
[A:ルミナ:狂気]「あああ……っ、ノア、ノアぁっ!!」[/A]
嬌声を上げ、かつて見捨てた男の背中に爪を立てる聖女。高潔な魂は、快楽という名の濁流に為す術もなく呑み込まれていく。
ノアは喉仏を上下させながら、彼女の最も敏感な突起を執拗に抉り続けた。
[/Sensual]
泥と体液に塗れた復讐の幕開け。
だが、暗闇の奥で[Flash]カチリ[/Flash]と、不気味な歯車が噛み合う音。見上げた夜空に走る巨大な真紅の亀裂。世界の理が崩れ落ちる音が響く。
第二章: 冒涜の炎
王都の廃墟。崩落した大聖堂のステンドグラス。瓦礫に落とされる無数の色彩。
パチパチとはぜる焚き火の熱。機械の関節部から漂う油の匂い。
[A:イヴ:冷静]「マスター。この哀れな雌豚は、まだ生かしておくのですか」[/A]
感情の起伏が薄い機械的な声。
球体関節を持つ人形、イヴ。異常なほど露出が多いゴスロリ風のメイド服。胸元や太腿の人工皮膚が焚き火の光を滑らかに反射している。
毛布にくるまって震えるルミナを冷たく見下ろす、赤と青のオッドアイ。
[A:ノア:冷静]「イヴ、言葉を慎め。彼女は僕の『薬』だ」[/A]
[A:ルミナ:悲しみ]「くっ……」[/A]
下唇を強く噛み締めるルミナ。口の中に広がる微かな血の鉄の味。
聖女としての嫌悪。腹の底で渦巻く黒い感情。
[Sensual]
ノアの足元に滑るように跪くイヴ。無機質な指で彼の昂りをそっと撫で上げる。
[A:イヴ:愛情]「マスター。あんな薄汚れた身体より、私の方がずっと機能的ですね。さあ、マスターの白き熱を、私の奥深くに注いでください」[/A]
[A:ルミナ:怒り]「やめ……て……っ」[/A]
視線を逸らせない。
ルミナの目を真っ直ぐに見つめたまま、人工的に作られた胸の先端をノアの膝に擦り付けるイヴ。見せつけるような過激な奉仕。
[A:ノア:冷静]「……いい子だ」[/A]
イヴの銀色の髪を撫でるノアの手。
その瞬間。ルミナの胸の奥で弾ける、爆発的な『嫉妬』。
[A:ルミナ:狂気]「だめっ! ノアは、私の……私を、治して……っ!」[/A]
這いずるようにノアの足元へすがりつく彼女。
羞恥心はとうに消え失せている。背徳感が彼女の神経を犯し、脳髄を焼き焦がす。
[Whisper]「……欲しがりだな、ルミナ」[/Whisper]
イヴを退け、ルミナの顎を乱暴に掴み上げるノア。
焚き火の揺らめく影。イヴの冷たいオッドアイに見下ろされながら、自ら脚を大きく開くルミナ。
[A:ルミナ:興奮]「ああっ、はぁっ……! もっと、ノアの熱を、ちょうだい……っ!」[/A]
濡れた蕾の奥へ、容赦なく押し込まれる硬い楔。
[Impact]パンッ! パンッ![/Impact]
大聖堂の廃墟に反響する、激しい肉の衝突音。
縮こまる足の指。反り返る背中。彼女の身体は、完全に「彼がいなければ満たされない」肉体へと造り替えられている。
白濁の生命を注がれる直前で焦らされ、狂ったように首を振るルミナ。快楽の波に為す術もなく溺れていく。
[/Sensual]
絶頂の余韻に浸る間もない。
ステンドグラスの上部から降り注ぐ圧倒的な光の刃。それが焚き火を両断した。
[Shout]ドゴォォォォン!![/Shout]
吹き飛ぶ瓦礫。土煙の中から現れる白銀の重装甲。
金髪碧眼の整った顔立ち。しかし、その瞳孔は異常に開ききり、甲冑の一部は魔物の返り血でどす黒く染まりきっている。
[A:カイン:狂気]「見つけたぞ、私の愛しいルミナ!」[/A]
かつての婚約者。勇者パーティのリーダー、カインの狂気に満ちた哄笑が響き渡る。
第三章: 狂信と裏切り
廃都の最深部。極端に冷たくなる空気。白く染まる吐く息。
[A:カイン:狂気]「世界のためだ、光栄に思えたまえ! 君の死こそが、この美しい世界を永遠にするのだ!」[/A]
響くのは、カインの芝居がかった尊大な声。
彼の剣先がルミナを捉えている。
[A:ノア:怒り]「……救出するのではなかったのか」[/A]
ノアの低い声。剣を構えるカインを射抜く群青の瞳。
[A:カイン:冷静]「フッ、馬鹿な男だ。彼女を『完全な結晶』へと羽化させ、崩壊する世界の新たな人柱として砕く。それこそが我々の崇高な使命!」[/A]
カインの言葉。ノアの眉間が一瞬だけ跳ねる。
[A:カイン:狂気]「ルミナも承知の上だ! だからこそ彼女は、お前のような出来損ないを追放し、一人で生贄になる道を選んだのだからな!」[/A]
[Impact]……は?[/Impact]
一瞬にして完全に停止するノアの思考。
視線が向かう先。瓦礫の陰で震えるルミナ。
[A:ルミナ:絶望]「……ノア。私を恨んでいい……だから、あなたは生きて……っ」[/A]
涙で顔を濡らしながら、力なく微笑む彼女。
自己犠牲。世界を救うための不器用な愛。ノアを残酷な生贄の運命から遠ざけるためだけに、彼女は彼を裏切る芝居を打ったのだ。
[A:ノア:絶望]「…………」[/A]
上下する喉仏。
復讐。裏切られたという絶望。自分が彼女を蹂躙し、支配しているという歪んだ優越感。
そのすべての前提が、音を立てて崩壊していく。
[A:ノア:狂気]「……ふざけるな」[/A]
地を這うような低い声。
[Shout]「ふざけるなァァァッ!!」[/Shout]
ノアの全身から爆発的に膨れ上がる漆黒の魔力。
世界そのものへの激しい怒り。そして、馬鹿げた自己犠牲を選んだ彼女への『重すぎる愛』。
[A:ノア:狂気]「神だか世界だか知らないが、彼女を奪うなら、すべて壊してやる!」[/A]
[Magic]《黒淵の刃》[/Magic]
地を蹴る、漆黒のオーラを纏ったノア。
だが、それを上回る狂信に染まったカインの圧倒的な聖剣技。
[Flash]閃光[/Flash]
[A:ルミナ:恐怖]「ノア!!」[/A]
ノアを庇うように飛び出したルミナ。カインの刃が、彼女の胸を深く貫いた。
第四章: 極限の逆流同調
宙を舞う鮮血。美しい星屑となって降り注ぐ。
カインの刃がルミナを貫いた瞬間。彼女の身体の『結晶化』が致命的な段階へと突入する。
[A:ルミナ:悲しみ]「あ……ぁ……」[/A]
眩い光を放つ宝石へと変貌していく身体の半分。
膝から力が抜け、冷たい石畳に崩れ落ちる彼女。間一髪で抱きとめるノア。
[A:ルミナ:愛情]「あなただけは……生きて……」[/A]
薄れゆく意識の中での微笑み。
その笑顔が、ノアの理性を完全に焼き切った。
[A:ノア:狂気]「死なせない。世界が終わろうと、君だけは絶対に僕が繋ぎ止める」[/A]
[Sensual]
ノアが削り出すのは、自らの魔力の源泉である「命」そのもの。
時間遡行にも似た、禁忌の儀式。
[Magic]《極限の逆流同調》[/Magic]
直接的な交わりではない。
呼吸の共有。視線の交差。互いの傷口から流れる血の混じり合い。
ルミナの血濡れた唇を塞ぐノア。自らの生命力を直接彼女の体内へ流し込む。
焦げた肉の匂い。血の鉄の味が混ざり合う。
[Pulse]ドクンッ! ドクンッ![/Pulse]
魂の深層での溶け合い。
物理的な快楽を凌駕する、圧倒的なオーガズムの波。それが二人の精神を直撃する。
[A:ルミナ:狂気]「あぁぁぁぁぁっ!! ノア、ノアァッ!!」[/A]
弓なりに反り返る背中。激しく痙攣する全身の筋肉。
時間を巻き戻すかのように、彼女の肉体から剥がれ落ちる美しい結晶。光の奔流となって吹き荒れる。
[/Sensual]
[A:カイン:恐怖]「な、なんだこの光は!? やめろ! 私の永遠の世界が!!」[/A]
絶叫するカインの身体。圧倒的な魔力の光に呑み込まれ、粒子となって崩壊していく。
[Blur]視界が真っ白に染まり、すべての音が消え去る。[/Blur]
ノアの手のひらに伝わるのは、腕の中にいる彼女の確かな鼓動だけ。
光が収束した先で、世界はどのような姿を見せるのか。
その代償の重さに、彼らはまだ気づいていない。
第五章: 美しき檻
崩壊した王都の廃墟を赤く染め上げる朝焼け。
冷たい朝の空気の中、カインの姿はどこにもない。
瓦礫の上に座り込むノアの腕の中。静かに息を吹き返すルミナ。
[A:ルミナ:驚き]「……私、は……」[/A]
[FadeIn]ゆっくりと目を開ける。[/FadeIn]
彼女の身体を蝕んでいた結晶は、完全に消え去っている。
[A:イヴ:冷静]「……マスター。バイタル安定しました。しかし」[/A]
傍らに立つイヴのオッドアイ。それが冷徹な事実を告げる。
胸を掻きむしり、激しく咳き込むルミナ。
息ができない。酸素が肺に入ってこない。
[A:ルミナ:絶望]「はっ、ひゅぅっ……! なぜ、苦し……っ」[/A]
[A:ノア:愛情]「無理もない。君の魂と肉体は、今や完全に僕の魔力に依存している」[/A]
ルミナの青ざめた頬を撫でる、ノアの指先。
救済の代償。
彼女は、ノアから与えられる『快楽』と『体液』がなければ、呼吸すらできない身体になっていた。
[A:ノア:愛情]「これで君は、誰の役目も背負わなくていい」[/A]
[Sensual]
彼女を強く抱き寄せるノア。その白いうなじに深く歯を立てる。
[Impact]ガブリッ![/Impact]
[A:ルミナ:興奮]「あっ、あぁっ……!」[/A]
首筋から流れる血を吸い上げ、同時に自らの唾液と魔力を流し込む。
その瞬間。ルミナの身体を巡る酸素。背髄を駆け上がる強烈な快感。
足の先まで痺れるような陶酔。
[Whisper]「永遠に、僕だけのものだ」[/Whisper]
耳元での低く甘い囁き。
ルミナの瞳から溢れ落ちる大粒の涙。
世界は救われなかった。空は引き裂かれたままで、絶望は続いている。
だが。
[A:ルミナ:愛情]「……はい……ノア……私を、満たして……」[/A]
ノアの首に自らの腕を回す彼女。彼がもたらす歪んだ快楽に、自ら深く溺れていく。
[/Sensual]
冷たい風が吹き抜ける廃墟。
[Pulse]二人の狂おしく美しい永遠が、ここに完成した。[/Pulse]