第1章:闇に溶ける黒い絹

[Sensual]
視界は、ひんやりとした漆黒の絹布によって完全に塞がれていた。
光を奪われた世界。研ぎ澄まされた触覚だけが、素肌に触れる最高級シルクのシーツの滑らかさを異常なまでに拾い上げている。
両手首に食い込むのは、丁寧に鞣された柔らかな革紐。
それがベッドを囲う重厚なマホガニーの支柱にきつく結び付けられている事実を、わずかに指先を動かそうとするだけで、骨の芯まで思い知らされた。
じり、と。
微かな衣擦れの音が、耳障りなほど静まり返った部屋の空気を震わせた。
ゆっくりと、しかし確実に近づいてくる足音。
帝都の夜風に混じる、銘酒の芳醇な香りと、ビターチョコレートを思わせる苦く甘い特有の匂い。あの男の匂いが、鼻腔を容赦なく犯していく。
[Pulse]トクン、と。胸の奥底で、心臓が痛いほど跳ねた。[/Pulse]
耳のすぐ側。衣擦れよりもはるかに微細で、火傷しそうなほど熱い重低音の吐息が、うなじの産毛をねっとりと撫で回す。
[A:柊 蒼星:愛情][Whisper]「……ほら、お前のここは、もうこんなにも卑猥に濡れそぼっているぞ、琴音」[/Whisper][/A]
[A:鷹司 琴音:照れ][Whisper]「ち、ちがう……っ、んっ……やめて、ください……ぁっ」[/Whisper][/A]
[A:柊 蒼星:狂気][Whisper]「何が違うというんだ? 言葉とは裏腹に、お前の柔らかな花弁は、私の足音を聞いただけで情けない蜜を滴らせているではないか」[/Whisper][/A]
薄いネグリジェの布地を隔てて、彼の硬く冷え切った指先が、内腿の最も皮膚が薄い部分をなぞり上げた。
爪の先が皮膚を引っ掻くような絶妙な圧力。それは這うように上へと遡り、熱の源へとゆっくり迫る。
[Tremble]ひうっ……! 喉の奥から、痙攣するような情けない吐息が漏れ出した。[/Tremble]
かつて、この男は我が鷹司家に拾われた、名もなき下働きの少年に過ぎなかった。
煤と油にまみれた作業着を纏い、常に庭の隅で伏し目がちに私を「お嬢様」と呼んでいた存在。
しかし今、運命の天秤は完全にひっくり返り、絶対的な身分の優劣は反転したのだ。
[A:柊 蒼星:冷静]「かつての気高く美しいお嬢様が、今や私の声を聞いただけで、浅ましい喘ぎ声を殺そうと必死にもがいている。……実に、愛らしいな」[/A]
[Think]どうして。彼の声を聞くだけで、視線を感じるだけで、こんなにも体の奥が熱く疼いてしまうの……?[/Think]
[A:鷹司 琴音:悲しみ]「私は……柊家の、ただの……使用人、ですわ。そのような、お戯れは……っ、んぁっ」[/A]
[A:柊 蒼星:愛情][Whisper]「戯れ? ふ、違うな。これは教育だ。お前が私の声だけで泣いて果ててしまうまで、この耳元で何度でも、この事実を囁き続けてやろう」[/Whisper][/A]
長大な指先が布地を捲り上げ、最も敏感に膨れ上がった蕾のすぐ近くを、じわじわと焦らすように小さく円を描き始める。
直接触れられていないのに。指の熱と摩擦だけで、頭の芯がジリジリと焼け焦げるような、耐えがたい熱が下腹部にどろりと溜まっていく。
快感の疼きから逃れようと、きつく縛られた手首を無意識に引っぱる。
しかし革紐は残酷なほど優しく、そして強固に、私の自由と逃げ道を奪い去っていた。
[/Sensual]
第2章:没落の泥とメイド服

[FadeIn]大正の帝都。そこは、ガス灯やきらびやかな電球の光と、工場の煤煙に塗れた泥濘の路地裏が、薄皮一枚で背中合わせに存在する街だった。[/FadeIn]
数ヶ月前までの私。鷹司家の令嬢として、薔薇が咲き誇る広大な庭園で、悠々と舶来のピアノを弾いていた優雅な日々。
だが、父の突然の自死と、雪ダルマ式に膨れ上がった莫大な負債によって、その幻影は一夜にして霧散した。
歴史ある家財はことごとく差し押さえられ、最後に残されたのは、娘である私を「商品」として差し出すという、血の滲んだ契約書だけ。
[A:柊 蒼星:冷静]「床の埃がまだ残っているぞ、琴音。這いつくばって、隅々まで磨き上げろ。……やり直しだ」[/A]
現在、私は柊家の豪奢な屋敷の廊下で、丈の長い漆黒のメイド服を着込み、冷たい大理石の床に膝をついている。
いつも完璧に結い上げていた黒髪のボブヘアは汗で額に張り付き、色白の肌には、氷水のように冷たい雑巾を絞った時の飛沫が容赦なく跳ねていた。
かつて泥まみれで私に傅いていた蒼星。今や彼は、英国製の完璧なスリーピースのスーツを隙なく纏い、冷酷な三白眼で私を虫けらのように見下ろしている。
[A:鷹司 琴音:悲しみ]「……申し訳ございません、旦那様。すぐに、やり直しますわ」[/A]
[A:柊 蒼星:冷静]「ふん。その『ですわ』という滑稽な言葉遣い。かつての栄華を未だに忘れられない、愚かさの象徴だな。……だが、悪くない。お前が這いつくばって泥に塗れるほど、その高貴な響きがひどく卑俗に聞こえて、背筋が粟立つほど愉しい」[/A]
彼が体重を乗せた革靴の先。それが、雑巾を握る私の手の甲を軽く踏みつけるように、じわりと重い圧力をかけてきた。
骨が軋む。だが、肉体的な痛みよりも、魂の奥底にあるプライドが、薄氷のように粉々に踏みにじられていく感覚のほうがはるかに鮮烈だった。
[Think]痛い……。屈辱で死にそうなのに。どうして、彼に虐げられるたびに、胸の奥がこんなにも甘く疼くのだろう。[/Think]
陽が落ち、夜の帳が下りれば、この従順な使用人の仮面は強制的に剥ぎ取られる。
彼の豪奢な寝室で、「特別教育」という名の、声と視線による執拗な調教が始まるのだ。
彼は絶対に私を暴力で殴らない。
ただ、耳膜を震わせる低い重低音の声が、聴覚から脳髄へとねっとりと侵入し、私の存在価値のすべてを否定し尽くしていく。
[A:柊 蒼星:狂気]「よく覚えろ、琴音。お前にはもう、帰る家も、甘えられる肉親もいない。この私に縋り、私の命令にひれ伏すことだけが、お前が明日も息をすることを許される、たった一つの理由だ」[/A]
[Impact]逃げ道など存在しない、声で作られた絶対的な檻。[/Impact]
その目に見えない檻の中で、私は息が詰まるほどの甘い支配毒に、少しずつ、けれど不可逆的に魂を侵食されていた。
第3章:毒薔薇の嘲笑

ベルベットの絨毯が敷き詰められたサロン。そこに、シャンデリアのガラスを割るような耳障りな笑い声が反響する。
見事な金髪の縦ロールを揺らし、和洋折衷のきらびやかな深紅のドレスを身に纏った女――綾小路 瑠璃。
彼女は蒼星の表向きの婚約者としてこの屋敷に出入りしており、私と同じ誇り高き華族の血を引きながら、その内面はサディスティックな愉悦に爛れていた。
[A:綾小路 瑠璃:喜び]「あらあら、まあ! これがかつての『帝都の白百合』と謳われた鷹司家のお姫様? すっかりお似合いの、這いつくばる雑用係になりましたのね」[/A]
瑠璃は手に持った象牙の扇子を振り下ろし、床の染みを拭いていた私の顎を、カツンと乱暴にしゃくり上げた。
皮膚が赤く腫れる痛みに、私は小さく息を呑む。
[A:鷹司 琴音:悲しみ]「……お初にお目にかかります、綾小路様」[/A]
[A:綾小路 瑠璃:怒り]「気安く私に話しかけないでちょうだい、泥棒猫! 蒼星様があなたみたいな没落女をここに置いているのは、ただの惨めな気まぐれ。あなたはただの便器、暇つぶしのおもちゃに過ぎないのよ!」[/A]
彼女の真っ赤な唇から放たれる言葉の毒が、私の脆弱な胸を鋭い刃のように抉り取る。
喉の奥が引き攣り、視界が滲みそうになるのを必死に堪えた。
[Think]おもちゃ……。ええ、わかっています。私など、ただの慰み者。それ以下の存在……。[/Think]
その惨めな様子を、部屋の奥の革張りソファに深く腰掛けた蒼星が、冷ややかな氷の目で見つめている。
彼は瑠璃の暴言を止めるどころか、グラスの氷を揺らしながら、底知れぬ冷酷な微笑さえ浮かべていた。
その日の深夜。
主人専用の寝室に呼び出された私に、蒼星は背後から蛇のように抱きつき、うなじの産毛を舐め上げながらねっとりと囁いた。
[Sensual]
[A:柊 蒼星:愛情][Whisper]「瑠璃のつまらない言葉に傷ついたか? お前は、私からの本気の愛でも求めているのか? ……あんなものは、お前のような泥に塗れた没落女には、一生与えられない」[/Whisper][/A]
[A:鷹司 琴音:悲しみ][Whisper]「……はい。わかって、おります……。私は、ただの……汚れた、使用人ですから……っ、ひぐっ」[/Whisper][/A]
[A:柊 蒼星:興奮][Whisper]「そうだ、それでいい。お前には私しかいないのだ。私がこの手を離せば、お前は明日の朝にでも路地裏の冷たい泥の中で野垂れ死ぬ。その無力さを、骨の髄まで忘れるな」[/Whisper][/A]
彼の大きく分厚い手が、私の細い首筋を這い上がり、そのまま優しく、しかし気管を確実に圧迫するように絞め上げる。
酸素が薄れていく苦しさ。
だがそれ以上に、その手のひらから伝わる暴力的な温もりに、私は窒息しそうなほどの絶対的な安堵を覚えていた。
彼に完全に依存し、彼の言葉の奴隷に成り下がる。それだけが、私の崩れかけた世界を繋ぎ止める唯一の楔となっていた。
[/Sensual]
第4章:暗闇からの泥棒猫

ガラス窓を割らんばかりの激しい雨が、屋敷の壁を容赦なく叩きつけていた。
嵐の夜。
瑠璃からの終わりのない嫌がらせと、蒼星が与える歪んだ愛の重圧に、私の精神は完全に押し潰されそうになっていた。
薄暗い使用人部屋のベッドで丸まっていた時。突然、鍵の掛かっていない小窓が、不自然な軋み音を立てて外側から開け放たれた。
[A:鷹司 玲二:冷静]「おい、琴音……! 生きてやがったか、こんな所で」[/A]
[Blur]どしゃ降りの闇の中から顔を出したのは、泥水に塗れたボロボロの着物と、破れた袴を着崩した男だった。[/Blur]
顎には無精髭が伸び放題になり、鼻を突くような安酒と粗悪な煙草の匂いをぷんぷんと漂わせている。
その見窄らしい顔は、紛れもなく私の腹違いの兄、鷹司 玲二だった。
[A:鷹司 琴音:驚き]「お兄様……!? どうして、こんな所に……」[/A]
[A:鷹司 玲二:喜び]「お前を助けに来てやったんだよ! あの成り上がりの柊の狂犬から、逃げ出す絶好のチャンスだ。裏口の先の森に車を手配してある、さあ、早く来い!」[/A]
私の手首を乱暴に掴んだ兄の手のひらは、異様に冷たく、そして不快な汗で湿っていた。
しかし、血の繋がった唯一の肉親からの差し伸べられた救いの手。
私の完全に凍てついていた心に、一筋の細い希望の光が差し込んだような気がしたのだ。
私たちは誰の目にも触れぬよう、深い影に隠れるようにして、冷たい雨の降る中、屋敷の裏口へと急ぎ足で向かった。
だが。
漆黒の闇に包まれた、屋敷の敷地の境界線を越えようとした門前。
玲二は突然足を止め、振り返りざまに、ひどく卑屈で下劣な笑みを浮かべた。
[A:鷹司 玲二:狂気]「へへっ……これでやっと、俺の懐に大金が転がり込んでくる。琴音、お前は本当に都合のいい金蔓だよ。上海の変態大富豪がな、没落した日本の『元華族の処女』を、極上の愛玩奴隷として目の飛び出るような額で買ってくれるって言うんだよ!」[/A]
[Tremble]ザーッという激しい雨音さえ遠のき、私の全身の血が、一瞬で氷点下まで凍りついた。[/Tremble]
[A:鷹司 琴音:恐怖]「え……? お兄様、何を……言っているの、ですか……?」[/A]
[A:鷹司 玲二:怒り]「お前はどうせ、ここで飼い殺されて誰かの慰み者になる運命なんだよ! だったら、大人しく実の兄貴の借金の返済の役に立ちやがれ!」[/A]
足元の地面が、ガラガラと音を立てて崩れ落ちる。
世界が、完全に終焉を迎えた。
唯一信じていた肉親でさえも、私をただの金換算の「モノ」としてしか見ていなかったのだ。
雨の冷たさも、風のうなり声も感じない。私の心は、果てのない底なしの闇へと急降下していく。
[Shout]「そこまでだ、薄汚いドブネズミ」[/Shout]
その時。
雨のカーテンを引き裂くように、漆黒のコウモリ傘を差した蒼星が、背後に死神の影を背負ったかのような圧倒的な殺気を放ちながら姿を現した。
第5章:血に染まる真実

[A:柊 蒼星:怒り]「俺の所有物に、その泥に塗れた汚い手を触れるなと言ったはずだ、玲二」[/A]
地獄の底から響くような蒼星の低い声が響いた瞬間。
彼の背後の闇から音もなく現れた屈強な大男たちが、一瞬にして玲二を取り囲み、雨の泥濘へと容赦なく押し伏せた。
硬い革靴の音が鈍く響き、玲二の顔面に情け容赦のない蹴りが叩き込まれる。
顔面の肉が潰れるひどい音と、血の泡が混じった絶叫が、無情な雨音に掻き消されていく。
[A:鷹司 玲二:恐怖][Shout]「ぎゃああああっ! ま、待て、助けてくれ! 金だろ!? 借りた金なら返すからっ!」[/Shout][/A]
[A:柊 蒼星:冷静]「金などどうでもいい。お前は私の琴音を、この屋敷から奪おうとした。……その罪は、万死に値する」[/A]
蒼星は冷徹な氷の目で、泥水に塗れて這いつくばる玲二をゴミを見るように見下ろした。
玲二は口からどす黒い血を吐き出しながら、狂ったようにゲラゲラと笑い出す。
[A:鷹司 玲二:狂気][Shout]「ひ、ひひっ! 琴音、騙されるなよ! こいつは最初から、お前を自分の檻に閉じ込めるために、裏ですべてを仕組んだんだ! 親父に架空の投資話を持ちかけ、鷹司家を借金漬けにして没落させた黒幕は、この柊 蒼星なんだよ!」[/Shout][/A]
[Flash]脳のど真ん中に、凄まじい稲妻が直撃したかのような衝撃が走った。[/Flash]
私は雨に濡れ、ガタガタと震える目で蒼星を見上げる。
否定してほしかった。嘘だと言ってほしかった。
しかし蒼星は、一言も否定しない。
ただ、雨粒に濡れた頬を拭いもせず、冷たく、そしてどこまでも狂おしいほど美しい、魔王のような微笑を浮かべたのだ。
[A:柊 蒼星:狂気]「……そうだ。すべては私が周到に描いたシナリオだ。お前が私をゴミのように見下していたあの気高い瞳を、私だけのものにして、永遠に私の檻の中で泣かせ続けるためだけに……私は、お前のすべてを奪い去ったのだ」[/A]
[Think]私の家を壊し。お父様を死に追いやり。私を絶対的な絶望のどん底に突き落としたのが、この人……?[/Think]
あまりにも巨大で、あまりにもおぞましく歪んだ狂気。
だが。その残酷な真実を知った瞬間、私の胸を激しく満たしたのは、憎悪でも恐怖でもなかった。
これほどまでに、世界そのものを破壊してまで、私という一人の女だけを異常なまでに求めてくれたという事実。
その真実が、頭の芯が痺れるほどの、ひどく甘美で絶対的な安堵を私に叩き込んでいたのだ。
[A:鷹司 琴音:絶望]「……ああ……あぁっ……」[/A]
私の膝から力が抜け、泥水の中にへたりと崩れ落ちる。
私は自ら這い寄り、蒼星の濡れた高級な革靴に、自分の額をすりすりと擦り付けた。
もう、逃げ場所など、この世界のどこにもない。いや、最初から逃げたくなどなかったのだ。
第6章:焦らされる蜜の閾

[Sensual]
嵐の庭から豪奢な寝室へと連れ戻された私は、分厚いマットレスのベッドに激しく押し倒された。
泥と雨水に濡れた黒いメイド服は、彼の乱暴な手によって無惨に引き裂かれ、ボタンが部屋中に弾け飛ぶ。
夜の冷気に、鳥肌の立った私の白い肌が完全に晒された。
しかし、蒼星はそれ以上、私の体に直接触れようとはしなかった。
私の両手首を、再びあの柔らかな革紐で天蓋の支柱にきつく拘束し、ただその鋭く暗い視線と、獣のような熱い吐息だけで、私の全身の輪郭を愛撫するように舐め回す。
[A:柊 蒼星:愛情][Whisper]「他の男の誘いに乗り、一瞬でも私から逃げようとした罰だ。お前には、私の手で触れてやる価値すら、いまは無い」[/Whisper][/A]
[A:鷹司 琴音:照れ][Whisper]「旦那様、お願い、ですわ……そんな、お預けは……私、もう……っ、あぁっ」[/Whisper][/A]
[A:柊 蒼星:興奮][Whisper]「ほら、無様な姿を見てみろ。私の声の波長だけで、お前の秘められた花芯はこんなにも熱く充血し、卑猥な水音を立てている。お前はもう、私の声の支配なしでは、快感を得ることすらできない卑しい体に作り変えられたのだ」[/Whisper][/A]
彼の言う通りだった。
指一本触れられていないのに。彼の低く甘い声が鼓膜を震わせるたび、私の内腿は羞恥と圧倒的な欲情で小刻みに震え、最も敏感な最奥の粘膜がじんじんと熱く脈打っている。
縛られた手首を動かすたび、シルクのシーツに擦れる自らの肉体の摩擦だけで、視界がチカチカと明滅しそうなほどの快感の波が押し寄せてくる。
[A:鷹司 琴音:興奮][Whisper]「ひぅ……あ、あぁあっ……! んっ、おねがい、触って……蒼星様、私を、いっぱいに満たして……っ!」[/Whisper][/A]
[A:柊 蒼星:狂気][Whisper]「まだだ。お前が心も体も、血の最後の一滴まで、すべて私の所有物だと自らの魂に刻み込むまで、私は絶対に許さない」[/Whisper][/A]
じりじりと焦らされ、限界まで高まりきった熱が、私の最奥から甘く粘り気のある蜜をぴちゃ、ぴちゃととめどなく溢れさせる。
シーツに広がる染みが、私の恥じらいのすべてを露悪的に暴き出していた。
大粒の涙が頬を伝い落ちる。私はただ、彼の残酷な支配を、彼を焼き尽くすほどの熱を、狂ったように乞い願うことしかできなかった。
[/Sensual]
第7章:檻の中の完全なる服従

[Sensual]
[A:柊 蒼星:冷静][Whisper]「答えろ。お前は誰のものだ? 誰の飼い犬だ? 自分の口で、腹の底から私に懇願しろ」[/Whisper][/A]
[A:鷹司 琴音:絶望][Whisper]「……私は、蒼星様の……あなたの、犬です。私は、あなただけの……卑しいおもちゃですわ……っ! だから、お願い……わたしを、壊して……っ!」[/Whisper][/A]
私の口から、完全なる屈服と隷属の誓いが零れ落ちた、その瞬間。
蒼星の瞳の奥で、微かに残っていた理性の太い糸が、ぷつりと音を立てて切断されるのが見えた。
[Glitch]「あぁっ……!!」[/Glitch]
次の瞬間。
私のまだ何も知らない、最も狭く硬く閉ざされた深奥の閾へと、彼の雄々しく昂ぶった巨大な熱の楔が、一片の容赦もなく深々と貫き通された。
[Shout]「いた、い……! 裂けちゃう、壊れるっ、おかしく、なっちゃうぅっ!」[/Shout]
肉が裂けるような激痛が、脊髄を伝って脳髄を焼き切る。
しかし、その強烈な痛みは一瞬にして、脳の芯をどろどろに溶かすほどの、致死量の快楽の濁流へと塗り替えられていった。
彼が重い腰を打ち付けるたび、密着した腹と腹がぶつかる激しい打撃音と、粘膜から溢れ出る体液が混ざり合い、くちゅ、ぱんっ、とひどく卑猥な水音が密室に響き渡る。
[A:柊 蒼星:興奮][Whisper]「お前は、このためだけに生まれてきたのだ。私の下で、私のためだけに乱れて啼くために……!」[/Whisper][/A]
[A:鷹司 琴音:興奮][Whisper]「は、あぁっ……! んあっ、いい、すごく、いいのぉっ! 蒼星様の、おく、いちばん奥まで、入って、るぅ……っ!」[/Whisper][/A]
彼の大きな指先が、私の熟れきって充血した花芯を執拗に弾き、容赦なく擦り潰す。
[Pulse]ドクドクと狂ったように脈打つ[/Pulse]私の最奥に、彼の熱く濃密な生命の波動が、何度も、何度も、限界を超えて叩きつけられる。
思考がどろどろの甘い泥と化し、私はただ、背中を弓のように大きく反らせながら、視界に無数の火花を散らす絶頂の痙攣を幾度も繰り返した。
[A:柊 蒼星:愛情][Whisper]「愛している、琴音。……お前を二度と、この檻から出してなどやらない」[/Whisper][/A]
[A:鷹司 琴音:愛情][Whisper]「はい……っ、はい……! 私も、愛して、います……あなたなしでは、もう、生きていけない……っ!」[/Whisper][/A]
私たちは、互いの汗ばんだ肌を、魂の奥底まで貪り食うようにきつく抱き合い、夜が白々と明けるまで、何度も何度も快感の深淵へと共に堕ちていった。
[/Sensual]
第8章:至福のハッピーエンド
すべてを洗い流すような嵐の夜が明け、静かで澄み切った朝の光が、寝室の厚いシルクのカーテンの隙間から細く差し込んでいた。
綾小路 瑠璃との打算に満ちた婚約は、昨日をもって蒼星の手によって正式に破棄されたという。
私の兄である玲二は、闇の底へと沈められ、もう二度とこの帝都の土を踏むことはないだろう。
鷹司という誇り高き名前は、名実ともに、完全にこの世から消滅したのだ。
[Sensual]
外界の喧騒から完全に遮断された、柊家の最も奥深くにある、豪華絢爛な鳥籠のような秘密の部屋。
私は、蒼星のたくましく温かい腕の中にすっぽりと抱かれたまま、微睡みから目覚めた。
私の華奢な首には、彼の病的な独占欲の象徴である、冷たく重い細身の金のチョーカーがしっかりと嵌められている。
かつて私が持っていた高潔な誇りも、華族という身分も、未来への自由も、すべてを失った。
しかし。私の胸の奥底は、これまでの人生で味わったことのないほどの、絶対的で至福の温もりによって満たされきっている。
[A:柊 蒼星:愛情]「……起きたか、私の可愛い小鳥。昨夜は、実によく啼いてくれたな」[/A]
彼の長く形の良い指が、私の乱れた黒髪を慈しむように、やさしく梳いていく。
その見下ろす三白眼に宿っているのは、冷酷さではなく、狂気的なまでに煮詰まった、底なしの深い溺愛の光だけだ。
[A:鷹司 琴音:喜び]「はい、蒼星様……。私は、あなたがいなければ、もう息をすることすらできませんわ」[/A]
私は彼の広い胸に深く顔を埋め、その規則的で力強い心音を子守唄のように聴きながら、恍惚ととろけるような微笑を浮かべた。
社会の目から見れば、私はすべてを奪われ、男の性欲の奴隷に成り下がった、没落した哀れな女なのだろう。
だが、この閉ざされた美しく狭い檻の中こそが、私に与えられた真の楽園なのだ。
私たちは、お互いを精神の底まで支配し、血の一滴まで依存し合いながら。
永遠に覚めることのない甘い奈落の底へと、どこまでも、どこまでも幸福に堕ちていくのだった。
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