第1章:神速の指先と冷たい計測
重厚なオークの扉が閉ざされた薄暗いアトリエに、硬く冷たい靴音が規則正しく響き渡る。
磨き抜かれたフローリングを叩くその音は、まるで静寂に支配された神殿で、時を刻む冷酷な振り子のようだった。
部屋の隅に置かれたアンティークランプの、微かに揺れる琥珀色の光が、一人の女の輪郭を妖しく浮かび上がらせる。
椎名薫。世界中のランウェイをその傲慢なまでの美貌で支配するトップモデルが、そこに毅然と立っていた。
光を浴びて贅沢にきらめくアッシュブロンドの髪を、苛立たしげに、しかしどこまでも優雅に揺らす。
氷河の底を思わせる、冷たく澄んだ切れ長の青い瞳が、傲慢な光を宿してこちらを真っ直ぐに射抜いた。
極薄のシルクドレスが、容赦のない夜風に煽られるように彼女の豊かな肢体へと張り付き、彫刻のような完璧な曲線をこれでもかと主張している。
[A:椎名 薫:冷静]「……プロを自称するなら、これ以上、私の時間を奪わないで。無駄な動きは一切、しないでちょうだい。私は、私の身体を世界で最も美しく飾る、最高のドレスを着たいだけなの。それ以外の雑音には興味がないわ」[/A]
その傲慢な要求を、至近距離で受け止めながら、完璧な仕立てのダークスーツに身を包んだ男が静かに佇んでいた。
雅楽代零。衣服の神に愛された、冷徹極まる天才仕立て屋が、指先で静かに銀縁眼鏡のブリッジを押し上げる。
ランプの灯火を弾いて鈍く輝く漆黒の髪が、彼の無表情な横顔に鋭い陰影を落としていた。
獲物を品定めする猛禽類のような、冷徹極まる三白眼が、ドレス越しに彼女のしなやかな肢体をミリ単位で解剖していく。
[A:雅楽代 零:冷静]「……愚問ですね。動かないでください。コンマ一ミリの、本当に微細な狂いすら、私の完璧な仕立てには許されません。あなたのその美しい傲慢さを、生地という名の鎖で縛り上げるのが、私の仕事ですので」[/A]
零は、表情一つ変えずに、漆黒の極薄の革手袋をはめた手を静かに、しかし威圧的に差し出した。
脇に控えていたアシスタントの織原結衣が、緊張で息を詰まらせ、青ざめた面持ちで一歩前へ進み出る。
結衣は、零のその張り詰めた空気に気圧されながら、特注の、鈍い光を放つ金属製メジャーを恭しく捧げ持った。
「お、お願いします、雅楽代先生……っ」と蚊の鳴くような声で囁き、深々とお辞儀をして、嵐を避けるように一歩下がって壁際に佇む。
[Sensual]
零は受け取った金属製メジャーを両手の間にピンと張り、その冷たい無機質な視線を、薫の胸元へと落とした。
[A:雅楽代 零:冷静]「おや……口では強気なことを言いながら、随分と正直な身体だ。あなたの肉体は、私の前では一切の嘘をつけない。すでに、指先一つ触れていないというのに、緊張で筋肉が不自然に強張っている」[/A]
[A:椎名 薫:照れ]「っ……! 買い被らないで、生意気な職人。これは、ただ……この部屋が、少し冷えるからよ。冷え性の女性に、そんな不躾な言葉を投げかけるなんて、紳士のすることじゃないわ……っ」[/A]
薫は、強張る肩を精一杯怒らせ、青い瞳に微かな動揺の火を灯しながら言い返した。
零はフッと、冷たい吐息のような笑いを漏らし、そのまま何の躊躇もなく、黒い革手袋に包まれた指先を彼女の細い首筋に滑らせた。
革手袋の、ひんやりとした、それでいてどこか肉感的な革の質感が、今にも透けてしまいそうなほど白い肌を、愛撫するように撫で上げていく。
[Heart]薫の細い肩が、その予期せぬ冷たさと濃厚な接触に、ビクンと小さく跳ね上がった。[/Heart]
[A:雅楽代 零:冷静]「言ったはずです、無駄な動きはするなと。……私の採寸は、少々、骨の髄にまで響く痛みを伴いますよ。覚悟はできておいでですか、お姫様」[/A]
冷徹で、耳元に直接響くような、低く美しい声が彼女の鼓膜を震わせる。
同時に、彼の手に握られた氷のようにひんやりとした金属製メジャーが、無防備なデコルテのラインに直接、這わされた。
滑らかな鎖骨の、美しい窪みをなぞるように、容赦なく金属の硬質で冷たい角が、繊細な皮膚を押し潰していく。
衣服の薄い障壁越しに、薫の肌が発する、異常なまでの熱が、メジャーを、そして革手袋を伝って零の指先へと生々しく届く。
[A:椎名 薫:興奮][Tremble]「はぅ……っ、ん、あ……っ」[/Tremble][/A]
薫は、不意に喉の奥から込み上げた甘い吐息を、慌てて奥歯を噛み締めることで押し殺そうとした。
だが、金属がもたらす執拗な冷たさと、零の指先が湛える圧倒的な支配力が、彼女の皮膚の感覚を、強制的に覚醒させていく。
メジャーは首元から、胸元のふくよかで豊かな膨らみの谷間を割り、その滑らかな下部、アンダーバストへと深く滑り込んだ。
[A:雅楽代 零:冷静]「ふむ、やはり呼吸が浅い。胸の美しいふくらみを、重力に逆らって完璧な位置で保つには、この不必要な緊張は邪魔だ。もっと、力を抜きなさい」[/A]
無機質に測るためだけの道具であるはずの手が、薫の最も敏感で、誰の手にも触れさせたくない場所に、じわじわと肉薄していく。
[A:椎名 薫:興奮][Whisper]「や、勝手に、触らないで……っ。どこを……どこを測っているの……っ。ひゃん、そこ、は、ちが……っ!」[/Whisper][/A]
[/Sensual]
薫の濡れた青い瞳に、屈辱的な恥じらいと、それを遥かに上回る、身体の奥底から突き上げてくる甘い光が混ざり合う。
[Impact]だが、零の眼鏡の奥の双眸は、どこまでも冷徹で、獲物を解体する職人のそれだった。[/Impact]
零は、彼女の腰が微かにくねり、翻弄されている姿を冷徹に見据えたまま、視線すら動かさずに傍らの漆黒の作業台の引き出しに手を伸ばす。
[A:雅楽代 零:冷静]「美しいですね。ですが、その骨格の僅かな歪みと、筋肉の強張りを根底から矯正せねば、私の描く完璧なドレスは完成しない。……これを使って、あなたのすべてを補正します」[/A]
零の手には、ランプの光を浴びて鈍く、不気味に輝く奇妙な調整用金属金具と、驚くほど艶やかな深紅の絹製リボンが握られていた。
第2章:道具による精密調整と理性を失った領域

雅楽代零は、鈍い金属音を立てて絡み合う金具と、毒々しいほどに鮮やかな深紅の絹製リボンを、長い指先で滑らせた。
銀縁眼鏡の冷たいレンズの奥で、光を反射した三白眼が、哀れな子羊の身体構造を透視するように鋭く細められる。
[A:雅楽代 零:冷静]「私の行う調整は、骨格の歪みを、私という規格に合致させるために強制的に正すもの。生半可な気持ちでは耐えられませんよ。覚悟してください」[/A]
[A:椎名 薫:照れ]「……私を、脅そうなんて、無駄よ。私は……私は、世界をひれ伏させる、完璧なドレスを手に入れたいだけ。そのためなら、どんなことだって……っ」[/A]
薫のアッシュブロンドの髪が、不安と興奮に裏打ちされた細かな震えを隠しきれず、サラサラと音を立てて波打った。
[Sensual]
じわりと、零ははめていた革手袋を口でくわえて、一枚ずつ、ゆっくりと引き剥がして作業台に放り捨てた。
剥き出しになった、骨張った、しかし驚くほど美しい男の指先が、直接彼女の剥き出しのデコルテ、そして脇腹へと触れる。
[Pulse]熱を帯びた、触れられただけで火傷しそうな皮膚[/Pulse]が、獲物のように小さく跳ね、びくりと引き攣った。
零は薫の豊かなバストのすぐ下、最も肋骨の細く、柔らかい部分に向けて、冷たい深紅のリボンを容赦なく回し回す。
[A:雅楽代 零:冷静]「無駄な力を抜きなさい。ほら、まだ、呼吸が荒く、肺が不自然に膨らんでいる。私の指を、感じているからですか?」[/A]
リボンは複雑に、そして蜘蛛の巣のように緻密に交差し、彼女の薄い背中を、悲鳴を上げるような強さで締め上げた。
[A:椎名 薫:興奮][Tremble]「う、っ……ぁ! 締、めすぎ、よ……っ。息が、は、入れ……っ、うく……っ」[/Tremble][/A]
薫は細い喉を鳴らし、息を詰まらせ、自慢の青い瞳をみるみるうちに涙で潤ませ、その目尻を赤く染めていく。
だが零は、その苦痛に満ちた絶景を前にしても表情一つ変えず、リボンをさらに下へ、太腿の奥、最も柔らかい付け根へと滑り込ませた。
柔らかな太腿の内側の皮膚に、ざらりとした、しかし摩擦熱を生む絹の冷酷な刺激が、すするりと走る。
結衣は作業台の脇で、両手を胸の前で固く握り締め、驚愕と、言いようのない興奮のせいで息を呑んでその光景を見つめていた。
零は、調整用の道具箱から、鈍く銀色に輝く、太く頑丈な調律用のピンを一本、躊躇なく手に取る。
[Impact]ブスリと、ピンを一本、交差した深紅のリボンと布地に、深く、容赦なく刺し通した。[/Impact]
ピンが通された瞬間、リボンがさらに限界を超えて引き締まり、薫の最も敏感な、熱を孕んだ秘所を布越しに強烈に圧迫する。
[A:椎名 薫:興奮][Tremble]「あ、う……っ、ん、は……うぅ……っ! あつい、なにか、が、くい込んで……っ」[/Tremble][/A]
[Heart]彼女の誇り高き肢体が、電流を流されたかのように、大きく、不格好によじれた。[/Heart]
リボンが、彼女が微かに動くたび、柔らかな粘膜に極めて近い場所に、執拗に、ざらざらとした摩擦の刺激を走らせる。
零は、逃げ出そうとする薫の細い腰を、まるで鉄の万力のような強い力で、片手でがっちりと背後から固定した。
[A:雅楽代 零:冷静]「動かないでください。コンマ数ミリ、測定の位置がずれます。歪んだ身体のまま、私の作品を汚す気ですか?」[/A]
零の、節くれ立った長い指先が、きつく結ばれたリボンの結び目の下、暗がりの奥へと、滑るように滑り込む。
そこは、他ならぬ薫の秘核が、恥辱と快感の混ざり合った熱を帯びて、ドクドクと不気味に強張る、その中心地だった。
[A:雅楽代 零:冷静]「やはり……ここに、尋常ではない過剰な圧力が集中していますね。血流が滞り、熱を持っている」[/A]
[A:椎名 薫:興奮][Whisper]「っ……そこ、は、だめ、っ、触ら、ないで……っ! お願い、壊れちゃう、壊されちゃう……っ!」[/Whisper][/A]
零の硬い指先が、薄いショーツの布地を介して、パンパンに張り詰めたその突起を、逃がさぬようにぐにりと押し潰した。
[Tremble]背筋を、強烈な、頭を痺れさせるような甘い痺れが、一気に駆け上がった。[/Tremble]
薫の脳の芯がとろとろに溶け出し、視界がチカチカと、細かく白い火花を散らすように明滅し始める。
羞恥で真っ赤に染まったその美しい頬を隠そうと、彼女は涙をこぼしながら必死に顔を背けた。
だが、太腿の奥がじわり、じわりと、自身の制御を失った甘い熱水で濡れていくのを、彼女の意志ではもう止められなかった。
零は、指先に伝わるじっとりとした湿気と、心臓の鼓動をなぞるような激しい拍動を、冷静に、そしてどこか愉しむように見極める。
[A:雅楽代 零:冷静]「どんなに口を閉ざしていても、あなたの身体は嘘をつけない。すでに、私の支配を、狂おしいほどに求めている」[/A]
薫は、悔しさに唇を血がにじむほど噛み締め、漏れ出そうになる狂おしい喘ぎ声を必死に喉の奥に押し戻した。
零は、彼女の濡れた顎を長い指先で強引に掬い上げ、逃げることを許さぬ目で見つめ、至近距離で囁いた。
[A:雅楽代 零:冷静]「これより、仕上げの緊密測定を行います。……さらに深い場所にある強張りを、私の手で、優しく、徹底的にほぐしましょう」[/A]
[/Sensual]
零は、もう片方の手を伸ばし、別の引き出しの奥から、かすかにブーンと微細に、妖しく振動する銀色の測定子を取り出した。
第3章:極限の仕立てと官能の調和

零は、先端が丸く加工された、不気味に重みのある銀色の測定子を、指先で弄ぶように弄んだ。
銀縁眼鏡の奥で、冷徹を極めたその三白眼が、哀れに震える獲物を確実に仕留める猟師のように細められる。
[A:雅楽代 零:冷静]「これは組織の深部に、私独自の計算に基づいた微細な振動を与えることで、蓄積された筋肉の強張りを解くための、特別な測定器具です」[/A]
[A:椎名 薫:興奮][Tremble]「そんな、不気味な、振動するものを……私に、そんなところにあてる気……っ? 狂ってるわ……っ」[/Tremble][/A]
薫のアッシュブロンドの髪は乱れ、青い瞳は完全に涙で濡れて、ただ零の容赦のない支配に恐怖と甘美を感じて揺れる。
零は、彼女の懇願するような返答を全く気にする風もなく、深紅の絹製リボンを、さらに一段と強く引き絞った。
薫の両腕が、背後で交差されるように完全に固定され、そのおかげで、彼女の豊かな胸は容赦なく前方へと突き出される。
[Sensual]
[Heart]完全に逃げ場を失った、屈辱的で、あまりにも無防備な体勢。[/Heart]
[A:雅楽代 零:冷静]「静かに。少しでも動けば、この精密な測定子の先端が、あなたの柔らかく美しい皮膚を、引き裂くことになりますよ」[/A]
零の、温もりを忘れたかのような冷たい指先が、薫の太腿の、最も柔らかい付け根の境界線へと割り込んだ。
衣服の隙間から、するりと滑り込んだ冷徹な銀色の測定子が、薫の太腿の内側に、ぴたりと押し当てられる。
[Pulse]ブー、ブー、と、皮膚を震わせる重い低音が、静まり返ったアトリエの壁に、不気味に反響した。[/Pulse]
[A:椎名 薫:興奮][Tremble]「ひゃぅあ……っ! な、なに、これ……あつい、身体の奥が、震えて、ひゃぁっ!」[/Tremble][/A]
激しい超音波の、細かく、しかし執拗な振動が、皮膚を通して体内の神経、血管、骨にまで直接伝わり、薫の理性を根底から揺さぶる。
零は、その震える測定子をゆっくりと、しかし確実に、彼女の最も熱を帯び、湿り気を帯びた場所へと這わせていった。
薄いショーツの布地を容赦なく隔て、敏感に狂い咲いている秘核の、まさにその頂点へと、振動が強烈に押し付けられる。
[A:雅楽代 零:冷静]「やはり……ここが最も硬化している。あなたが日頃、世界を騙すために抱え込んできた緊張が、すべてここに溜まっています」[/A]
[A:椎名 薫:興奮][Whisper]「う、そ……そこは、だめ、だめなのぉ……っ! お願い、止めて、頭の芯が、おかしくなる、壊されちゃうぅ……っ!」[/Whisper][/A]
薫の腰が、あまりの刺激の強さに耐えかねて、くねくねと蛇のように小さく跳ね、震える。
ピンと張られたリボンが、その動きに合わせて太腿の皮膚を激しく擦り、さらなる、摩擦の熱が彼女の理性を焼き尽くしていく。
零は、彼女の反応を冷静に観察しながら、無慈悲にも、器具の振動レベルを示すダイヤルを一段階引き上げた。
[Impact]限界をとうに超えた、脳髄を破壊するような快楽が、薫の背筋を暴力的な速さで駆け上がる。[/Impact]
[A:椎名 薫:興奮][Shout]「んあぁぁっ……! お願い、もう無理、ゆるしてぇ……っ! お願い、私、壊れちゃうぅ……っ!」[/Shout][/A]
プライドの塊であったはずのトップモデルが、髪を振り乱し、涙をダラダラと流しながら、一介の職人に、身体の救済を求めて懇願する。
その、堕落しきった美しい姿を見つめる零の、銀縁眼鏡の奥の瞳に、初めて、暗く、澱んだ、狂気的な独占欲が灯った。
[A:雅楽代 零:興奮]「……私の仕立てに、妥協などという生ぬるい概念は存在しない。あなたのすべてを、私だけのものにする」[/A]
零は、薫の、涙と蜜に濡れた顎を力任せに掴んで上を向かせ、その艶やかな唇へと、貪るように唇を重ね、強引に奪った。
[Pulse]ちゅぷ、じゅるり、と、激しい水音が、暗闇に支配されたアトリエに、淫らに響き渡る。[/Pulse]
薫の口から、呼吸を奪われた苦しさと、溢れ出る快楽が混ざり合った、甘い蜜のような吐息が漏れ、零の口内へと吸い込まれていく。
零の長い指先は、絶え間なく振動し続ける測定子とともに、彼女の完全に濡れそぼり、蜜を滴らせる秘所を、直接、指の腹で強烈に圧迫した。
[A:椎名 薫:興奮][Whisper]「あ、あ、いく……っ、いっちゃうの、それ、あ、あぁぁーっ!」[/Whisper][/A]
[Flash]視界の奥で、無数の雷光が弾けるような閃光が走り、脳裏を、真っ白ではなく、暴力的なまでの快楽の色で焼き尽くす。[/Flash]
薫は身体を、まるで限界まで引き絞られた弓のように大きく反らし、つま先までをピンと硬直させ、激しく痙攣しながら絶頂を迎えた。
アトリエの磨き抜かれた床に、彼女が耐えきれずに漏らした、熱い吐息の飛沫と、太腿を伝った甘い滴が、ぽつり、ぽつりと、静かに滴り落ちていく。
[/Sensual]
一晩が明け、まばゆい、目が眩むほどのスポットライトが縦横無尽に交錯し、世界中のセレブが集う、熱狂に満ちたランウェイ。
大歓声の中、椎名薫は、世界で最も気高く、最も美しい、神々しいまでの姿勢で、キャットウォークを悠然と進んでいた。
完璧に補正され、一分の隙もなく彼女の肉体と同化したシルクのドレスが、彼女の肢体を、この世の奇跡のように際立たせている。
観客席の、眩しい光が届かない深い陰の中から、腕を組み、冷徹な三白眼で彼女の一挙手一投足を見つめる、雅楽代零。
薫は、何千人もの観客を魅了するキャットウォークの最先端で、観客ではなく、ただ一人の男、零に向けてだけ、狂おしい従属の笑みを浮かべた。
彼女の皮膚の奥には、今なお、あの冷たい金属の感触と、彼の手のひらがもたらした、消えない熱が、疼くように、確かに脈打っている。