第1章:防波堤の崩落
[A:ルシウス・グランツ:冷静]「無能が。お前のような日陰者が、僕たち天才の足を引っ張るな」[/A]
大理石 of 円卓に、冷酷な宣告が叩きつけられた。
絢爛(けんらん)豪華な白銀の鎧(よろい)を纏(まと)ったルシウス・グランツが、美術品のように美しい黄金の髪を傲慢(ごうまん)に揺らしている。
王都の最高級ギルド「暁(あかつき)の牙」の作戦室は、凍りついたような静寂に支配されていた。
円卓を囲むのは、国中から選りすぐられた超一流の冒険者たちだ。彼らの視線は一様に、部屋の隅に佇む一人の青年に向けられていた。
[A:ルシウス・グランツ:冷静]「お前はただ座って、魔力回路の数値を調整しているだけの置物だ。戦闘に一切貢献していない日陰者に払う金は、我がギルドにはない」[/A]
ルシウスの言葉に呼応するように、背後に控える仲間たちが、一斉に肩を揺らして、小馬鹿にした薄笑いを浮かべる。
「そうだぜ、アレン。お前が裏でこそこそ弄(いじ)り回している数字なんて、俺たちの圧倒的な武力の前には何の意味もないんだよ」
「戦場で血を流すこともない雑用係が、僕たちと同じ分け前を得ていること自体、おこがましいと思わないのかい?」
作戦室の隅、古びた黒い調律師のコートを纏ったアレン・クローバーは、無造作に伸びた黒髪の隙間から、凍てつく群青の瞳を向けた。
コートのポケットには、長年使い古し、磨き上げてきた魔力工具が、かすかに金属音を立てて収まっている。
アレンは反論せず、ルシウスの放つ不快な熱気を見つめ返した。
[Think]戦闘中に、彼らの魔力回路が過負荷で焼き切れないよう、すべてを裏で引き受けていたというのに。[/Think]
命を削り、深夜まで及ぶ精密な魔力循環の調整。
彼らの傲慢さに付き合い、すり減らしてきた日々の虚(むな)しさが、アレンの胸に冷たく沈殿していく。
彼らは知らないのだ。自分たちが万全の状態で最強の魔法を放てていたのが、誰の、どれほどの緻密な調律による恩恵だったのかを。
[A:アレン・クローバー:冷静]「システムは嘘(うそ)をつかない。乱れているのは、君たちの傲慢さだ」[/A]
淡々と、抑揚のない声でアレンは告げた。
その瞳には怒りも哀れみもなく、ただ壊れかけた機械を見るような、絶対的な虚無だけが存在している。
[A:ルシウス・グランツ:怒り]「負け惜しみか? これだから無能な雑用係は使えない。さっさと消えろ、アレン。二度とその薄汚い顔を僕たちの前にさらすな」[/A]
ルシウスは苛立ちを隠そうともせず、吐き捨てるように言った。
アレンは静かに、自らの細い指先を立てた。
指先に宿る、冷たく透き通るような青い魔力光が、作戦室の重苦しい空気を細かく震わせる。
それはギルドメンバー全員の魔力回路を最適化し、暴走を未然に防いできた「魔力共有契約パス」の光だ。
[A:アレン・クローバー:冷静]「わかった。僕の調律は今この瞬間を以て終了する」[/A]
アレンの手のひらが、その青い光 of 結晶を、ためらいなく[Impact]粉々に握り潰した。[/Impact]
ガラスが割れるような、鋭く、そしてどこか美しい破砕音が室内に響き渡る。
[Flash]破断の閃光[/Flash]が、彼らを繋(つな)いでいた見えない鎖を完全に断ち切った。
ルシウスたちは一瞬、心臓の奥が冷え切るような、奇妙な喪失感と悪寒に襲われる。
[A:ルシウス・グランツ:驚き]「っ、なんだ、今の不快な感触は……!?」[/A]
心臓の鼓動が不規則に跳ね上がり、呼吸がわずかに浅くなるのをルシウスは感じる。
だが、その違和感の正体を、彼の傲慢な頭脳が正しく理解することはなかった。
[A:ルシウス・グランツ:冷静]「ふん、無駄な呪いの真似事か。どこまでも浅ましい男だ」[/A]
ルシウスは鼻で笑い、不快感を誤魔化すように自らの胸元をさすった。
アレンは答えず、調律用の魔導工具だけを鞄(かばん)に詰め、静かに席を立つ。
目指す先は、国境の古代魔導遺跡。
そこには、世界から見捨てられた孤独な王女、シルフ・エーデルワイスが待っている。
アレンは知っていた。
防波堤を失った濁流が、どれほど凄惨(せいさん)な勢いで、彼らの体内魔力回路を内側から破壊し尽くすかを。
ギルドの重厚な門扉を押し開け、アレンは一度も振り返らずに夜闇へと足を踏み出した。
背後で、ルシウスの手に宿る聖炎が、いつもより不規則に、そして激しく爆ぜる。
火花が散り、ルシウスの白銀の籠手(こて)が、嫌な熱を帯てじりじりと鳴り響いていた。
それは、ゆっくりと、しかし確実に始まりつつある破滅の秒針の音だった。
第2章:崩壊の旋律と異端の再構築

国境の古代魔導遺跡は、何百年もの沈黙と、分厚い塵(ちり)に支配されていた。
アレン・クローバーは、古びた黒い調律師のコートをなびかせ、その最深部へと足を進める。
無造作に伸びた黒髪の隙間から、凍てつく群青の瞳が、薄暗い闇を見据えていた。
冷え切った石床の上で、銀髪を乱した少女が、狂暴な魔力の奔流に身をよじっている。
滅びた王国の生き残り、シルフ・エーデルワイス。
色褪(あ)せた白と金の魔導ドレスから露出した白い肌には、翡翠(ひすい)色の魔導紋が血管のように浮き出ている。
制御を失った高密度の魔力が、彼女の華奢(きゃしゃ)な肉体を内側から破裂させようと、じりじりと音を立てて爆ぜていた。
[A:シルフ・エーデルワイス:悲しみ][Tremble]「あ、あ、あああっ……! からだ、が……裂ける……っ!」[/Tremble][/A]
激痛のあまり、シルフは自らの胸元をかきむしり、息を絶え絶えにのたうち回る。
その翡翠の瞳は涙で濡れ、視界は苦痛のモザイクに塗りつぶされていた。
[Sensual]
アレンは躊躇なくシルフの身体を抱き寄せ、その背中へ、自らの両手を押し当てた。
熱を帯びた白い背中の魔導紋が、アレンの掌(てのひら)に脈打つ強烈な振動を直接伝えてくる。
アレンの脳細胞は瞬時に超高速演算を開始した。
コンマ数秒の間に、彼女の暴走する魔力波形を読み解き、最適な同調率を算出していく。
[Magic]《過負荷調律》[/Magic]
アレンの指先から流れ出た静謐(せいひつ)な青い魔力が、シルフの体内で暴れ狂う翡翠の濁流と深く噛(か)み合う。
ミリ単位で魔力循環の幾何学模様を整列させ、破綻した回路を強制的に再起動していく。
激痛に喘いでいたシルフの瞳に、熱い涙とともに、息を呑むような安らぎが広がった。
彼女の背筋が甘くしなり、肺から甘美な吐息が漏れ出る。
肉体の最奥、魔力の源泉である深部まで、アレンの冷徹で優しい指先で愛撫(あいぶ)され、融解していくような、圧倒的な快感と救済。
全身の神経が歓喜に震え、脳を直接焦がすような甘い熱が、シルフの体内を駆け巡る。
[A:シルフ・エーデルワイス:興奮][Whisper]「はぁ、ぁ……っ。アレン、様……っ、脳の、中まで、あなたで満たされて……っ」[/Whisper][/A]
シルフはアレンの首元に細い腕を絡め、縋(すが)るようにその胸に顔を埋めた。
アレンは冷徹に、だが確実に、彼女の全魔力を完璧な循環回路へと同調させた。
[/Sensual]
やがて光が収まると、シルフは翡翠色の瞳を潤ませたまま立ち上がり、アレンの前に跪(ひざまづ)いた。
彼女はアレンの調律用工具を持つ指先を取り、そこへ恭(うやうや)しく額を擦りつける。
[A:シルフ・エーデルワイス:愛情]「シルフの身も心も、すべてアレン様のもの。お望みなら、この世界ごと消し去りましょう」[/A]
[A:アレン・クローバー:冷静]「世界を壊す必要はない。システムを書き換えるだけだ」[/A]
アレンは遺跡の心臓部である古代の「大魔導回廊」へ手をかざす。
二人の魔力が交わり、忘れ去られていた巨大な回路が、重低音を響かせて再起動を始めた。
一方その頃、王都の最高級ギルド「暁の牙」は、地獄の業火に包まれていた。
[Shout]「ぎゃあああああああかっ!」[/Shout]
Sランク迷宮の深部で、ルシウス・グランツの放った大魔法が、調律を失って大暴走を起こしていた。
不規則に爆ぜる聖炎は敵を焼き尽くすだけでなく、味方の陣形を容赦なく炭化させていく。
「な、何なんだこの炎は! ルシウス、制御しろ! こっちに来るな!」
「魔力が……魔力が言うことを聞かない! 体の中が熱い、熱すぎる!」
[A:ルシウス・グランツ:狂気][Shout]「なぜだ! なぜ僕の炎が制御できない! 消えろ、消えろ!」[/Shout][/A]
治癒魔導士の回復魔力すらも逆流を起こし、過負荷で体内回路がショート、白目を剥(む)いて泡を吹く。
ルシウスの右腕は、自らの聖炎のバックフローによって黒く炭化し、皮膚がベリベリと剥がれ落ちていた。
[A:ルシウス・グランツ:怒り][Tremble]「あの無能め……! アレンが余計な呪いを残していったに違いない! 殺せ、あいつを殺してこい!」[/Tremble][/A]
ルシウスは血走った眼で、配下の暗殺者たちを国境へと放つ。
だが、遺跡の入り口に足を踏み入れた影たちは、その目的を果たすことはなかった。
シルフが展開した超高密度の古代魔術結界が、一瞬で彼らの肉体を捉える。
[Flash]分解の光[/Flash]
音もなく、暗殺者たちは悲鳴すら上げる間もなく、乾いた塵へと還元されていく。
アレンは冷たい群青の瞳でそれを見つめ、あらかじめ王都に残してきた魔力投影機を起動した。
王都の作戦室で、治療もままならず痛みに悶えていたルシウスの前に、空中の青い光が映像を結ぶ。
そこには、無傷どころか、かつてない強大な魔力を従えたアレンと、美しき王女シルフの姿があった。
[A:アレン・クローバー:冷静]「システムは嘘をつかないと言ったはずだ。狂った歯車は、もう元には戻らない」[/A]
画面の向こうのアレンが、氷のような視線を、ルシウスの炭化した右腕へと投げかける。
ルシウスは息を吹きかけられた蝋燭(ろうそく)のように、全身を激しく震わせた。
その脳裏に、アレンが握り潰した、あの「魔力共有契約パス」の割れる音が、今になって鼓膜を突き破るほどの音量で再生される。
[Think]僕たちが切り捨てたのは……本当に、無能な置物だったのか……?[/Think]
[Blur]視界が、恐怖と激痛で歪んでいく。[/Blur]
ルシウスは、自分たちを生かしていた唯一の命綱が、何であったかをようやく理解し始めていた。
第3章:泥を舐める勇者と冷徹な拒絶

重厚な石造りの扉が軋(きし)み、引きずるような不快な音が玉座の間に響く。
床を這(は)うのは、かつて白銀の鎧を誇った、見る影もない肉塊だった。
黄金の髪はまばらに焼け落ち、剥(む)き出しの頭皮には赤黒い水膨れが連なる。
自身の聖炎に焼かれた焦げ臭い皮膚が、動くたびに裂けて黄色い体液を滴らせた。
包帯で何層にも巻かれた右腕からは、すでに壊死した肉の腐臭が漂っている。
[A:ルシウス・グランツ:恐怖][Tremble]「あ、あ、アレン……っ。頼む、頼む、頼む……!」[/Tremble][/A]
引きずる両足から血の線を床に引きながら、ルシウス・グランツは泥のように這い回る。
その青い瞳は血走って瞳孔が散開し、涙と鼻水で汚れた顔を床の塵に擦り付けた。
[A:ルシウス・グランツ:絶望][Tremble]「戻ってきてくれ! 頼む! お前が必要なんだ! 十倍だ、いや、利益の半分をやる!」[/Tremble][/A]
背後では、暁の牙の残党が、自らの喉をかきむしり、獣のような悲鳴を上げてのたうち回る。
体内の魔力回路が逆流し、内側から肉体を沸騰させる地獄。
その悶え狂う姿を、玉座の隣に立つシルフ・エーデルワイスは見下ろした。
銀髪を冷たい微風になびかせ、翡翠色の瞳にはゴミを見るような絶対の拒絶が宿る。
アレン・クローバーは、無造作な黒髪の隙間から、凍てつく群青の瞳を向けた。
古びた黒い調律師のコートを揺らし、無駄のない所作でゆっくりと玉座から立ち上がる。
アレン・クローバーの一歩一歩が、石床に澄んだ足音を響かせた。
その足音が、ルシウス・グランツの鼓膜を、死神の秒針のように打ち鳴らす。
這いつくばる額の前に、アレン・クローバーの黒いブーツが止まった。
ルシウス・グランツが縋りつこうと伸ばした包帯の右手を、冷徹に、そして静かに踏みつける。
[Impact]「ぐ、ああああああああっ!」[/Impact]
[A:アレン・クローバー:冷静]「システムは嘘をつかない。乱れているのは、君たちの傲慢さだ」[/A]
靴底の下で、炭化した骨の軋む嫌な音が響いた。
[A:アレン・クローバー:冷静]「僕の調律は、精密な時計の歯車を噛み合わせる作業だ」[/A]
平坦な声音。
感情の起伏が削ぎ落とされた、氷の宣告。
[A:アレン・クローバー:冷静]「一度外れて高速回転し、内側から完全に溶け落ちた歯車は、二度と元には戻らない」[/A]
ルシウス・グランツの呼吸が、恐怖でヒューヒューと喉を鳴らす。
[A:アレン・クローバー:冷静]「君たちの魔力回路は、すでに修復不可能なレベルで自己崩壊している。僕が戻ったところで、もう何一つ救えない」[/A]
[Pulse]トドメの言葉。[/Pulse]
その瞬間、ルシウス・グランツの内に残っていた精神の糸が、完全に破断した。
切り捨てたはずの無能が、自分たちの命そのものを握る神であったという事実。
その真実が、全身を焼き焦がすバックフローの痛みをさらに跳ね上げる。
[A:ルシウス・グランツ:狂気][Shout]「う、ああああ! 嘘だ! お前が呪ったんだ! お前さえ、お前さえいればあああ!」[/Shout][/A]
叫びながら、己の血管が浮き出て紫に染まる首筋を掻きむしり、皮膚を裂く。
もはや誰も、その狂乱を止めることはできない。
[Sensual]
アレン・クローバーは一度も振り返ることなく、踏みつけていた足をどけ、踵を返した。
隣に歩み寄るシルフ・エーデルワイス。
その白と金のドレスが、彼に付き従うように揺れる。
シルフ・エーデルワイスは、うっとりとした、熱を帯びた眼差しをアレン・クローバーへ向けた。
[A:シルフ・エーデルワイス:興奮][Whisper]「アレン様、耳の裏、熱くなっておられます……。シルフが、お冷やししましょうか?」[/Whisper][/A]
その華奢な指先が、アレン・クローバーのうなじに触れ、甘美な痺れが走る。
[A:アレン・クローバー:冷静]「……いや。このままでいい」[/A]
アレン・クローバーは、彼女の柔らかな白皙の手を、静かに引き寄せ、しっかりと握り直した。
[/Sensual]
背後では、爆ぜる炎と、体内回路が破裂する凄惨な絶叫が響き渡る。
二人は一度も振り返らない。
世界の脈動を調律する、新たな歩みが、今この瞬間から始まった。
第4章:新世界の調律者

灰となって霧散したルシウスたちの残滓(ざんし)が、冷たい風に流されて消える。
静寂が戻った古代魔導遺跡の最深部で、突如として床面が脈動を開始した。
アレン・クローバーが磨き上げた魔力工具が、古びた黒いコートの内側で一斉に共鳴の音を奏でる。
[Flash]まばゆい黄金と翡翠の光[/Flash]が、頭上のドーム状の天井へと突き抜けた。
[System]――大魔導回廊、再起動。世界魔力、大調律システムへと移行――[/System]
冷徹なシステムメッセージが、虚空に青く浮かび上がる。
世界中を循環する汚染された魔力が、目に見えない奔流となって遺跡へと強制的に引きずり込まれていく。
アレン・クローバーの群青の瞳には、世界各地の魔導結晶が輝きを失っていく光景が、青い魔力光のホログラムとして映り込んでいた。
王家や賢者たちの権力の源泉が、一瞬にして枯渇していく。
遺跡の通信魔導具からは、大陸全土の支配者たちが上げる、歯の根も合わないような悲鳴が途切れ途切れに聞こえた。
[A:アレン・クローバー:冷静]「予定通りの数値だ。これで、既存の魔導ギルドの独占は完全に瓦解する」[/A]
無駄な脂肪のないしなやかな肢体を揺らし、アレン・クローバーは冷たく言い放つ。
世界を手中に収めたというのに、その声音には一切の執着が感じられない。
[A:シルフ・エーデルワイス:愛情]「ふふ、さすがはアレン様。この愚かな世界も、ようやくあなたの指先で正しく組み直されましたね」[/A]
白と金の魔導ドレスを揺らし、シルフ・エーデルワイスが隣からすり寄ってきた。
背中まで流れる銀髪が、アレン・クローバーのコートに触れて静電気のような火花を散らす。
翡翠色の瞳には、世界への興味など微塵もなく、ただ目の前の男への狂信的な熱だけが灯っていた。
アレン・クローバーは、自分を必要としてくれた唯一の少女の、深い執着を静かに受け止める。
[Sensual]
[A:シルフ・エーデルワイス:興奮][Whisper]「ねえ、アレン様……。世界が静かになった今こそ、シルフを、あなただけで満たしてください」[/Whisper][/A]
彼女がドレスの背中を大きくはだけると、白い肌に刻まれた痛々しくも美しい翡翠色の魔導紋が、熱を帯て激しく拍動していた。
アレン・クローバーは、彼女の背中に、長年の精密作業で磨かれたしなやかな指先を滑らせる。
[Pulse]トクン、と肌の奥で回路が跳ねる。[/Pulse]
[A:アレン・クローバー:冷静]「過負荷が生じている。僕の指から目を逸らさないでくれ」[/A]
[Magic]《過負荷調律》[/Magic]
アレン・クローバーの極限の演算能力が、シルフ・エーデルワイスの体内魔力を一瞬で最適化していく。
[A:シルフ・エーデルワイス:興奮][Whisper]「あ……っ、はぁ……っ、アレン様の魔力が、お腹の奥まで浸み込んできます……っ」[/Whisper][/A]
極上の快感と苦痛が混ざり合う、甘美な吐息が静かな玉座の間に響き渡る。
アレン・クローバーのうなじにも、彼女の熱い呼気が吹きかかり、心地よい痺れが走った。
かつて使い捨てられた少年は、今や世界そのものの脈動を握る唯一無二の存在。
二人の絆を阻むものは、もうこの世界のどこにも残されていない。
回り始めた世界の歯車の音を聞きながら、アレン・クローバーはシルフ・エーデルワイスの潤んだ瞳を見つめた。
And、永遠の所有を約束するように、その赤い唇へ深く、深く接吻を交わした。
[/Sensual]