第1章:略奪の宴と崩れ落ちる銀光

ルミナス聖王国の大聖堂。
光の粒子が、高貴な大理石の床を淡く染め上げている。
頭上、遥か高天に配されたステンドグラスから、虹色の輝きが滝のように降り注ぐ。
その極彩色のスポットライトを浴びて、主賓席に立つ二人の姿があった。
燃えるような赤髪をきっちりと整え、磨き上げられた銀の甲冑を纏った近衛騎士アルト。
その隣には、波打つプラチナブロンドの長い髪を風に遊ばせるように揺らし、純白の神聖ドレスに身を包んだ聖職者エリシアがいた。
[A:アルト:喜び]「エリシア。ドブネズミの這い回る、あの薄暗い辺境の貧民街から、まさかここまで登り詰められるなんて。……いや、すべては君がいてくれたからだ。この剣、この命。そのすべてを懸けて、僕は生涯、君だけを守り抜くと誓う」[/A]
アルトの琥珀色の瞳には、一点の曇りもない真っ直ぐな決意が宿っている。
エリシアは深く澄み渡った碧眼を潤ませ、胸元で細い指先をぎゅっと握りしめた。
その白い頬が、微かに桜色に染まっていく。
[A:エリシア:照れ]「アルト様……。私のような、祈ることしかできない脆い者を、そこまで言ってくださるなんて。私も、あなただけを、生涯の主として……」[/A]
二人が手を重ね合わせ、温もりを確かめ合おうとした、まさにその一瞬だった。
[Flash]激しい爆砕音[/Flash]とともに、大聖堂の重厚な薔薇窓が内側へと爆散した。
降り注ぐガラスの破片が、きらきらと光る無数の凶器となって、貴族たちの肌を切り裂く。
悲鳴を上げて逃げ惑う群衆。
床が赤く染まっていく。
その混沌を切り裂くように、漆黒の軍勢が神聖な処へと踏み込んできた。
先頭に立つのは、深紅の裏地を覗かせ、漆黒の帝国軍礼服を傲然と翻す男。
ヴァルハイト帝国の第二皇子、ユリウスだった。
短髪の黒髪の下、切れ長の赤い瞳が、獲物を捕らえる蛇のように怪しく、冷たく光る。
[A:ユリウス:冷静]「実にお粗末な、反吐が出るほどの茶番だな。聖王国の命運がかかった不可侵条約の席だぞ? 神への祈りなどという戯言よりも、もう少しマシな余興を用意せよ」[/A]
[A:アルト:怒り][Shout]「ユリウス皇子……! 何の真似だッ! ここは神聖なる誓いの場だぞ!」[/Shout][/A]
アルトが激昂し、長剣の柄にぎり、と手をかける。
しかし、ユリウスは侮蔑を込めて、ただ鼻で笑うだけだった。
[A:ユリウス:冷静]「神への誓いなどという幻想で、この滅びゆく国が救えると思うか? ルミナス聖王国が我が帝国の軍門に下らない唯一の条件。――そこの『聖女』を、私に差し出せ」[/A]
ユリウスの細い指先が、怯え震えるエリシアを容赦なく指し示す。
[A:エリシア:恐怖][Tremble]「あ、あ……そんな……。そんな,乱暴な……」[/Tremble][/A]
[A:アルト:怒り][Shout]「ふざけるなッ! エリシアは、誰にも、指一本触れさせない!」[/Shout][/A]
アルトが地を蹴った。
神速の、銀の軌跡が空を裂く。
その刃はユリウスの喉元へと躍り出た。
だが、ユリウスは避ける動作すら見せない。
その片手が、禍々しい漆黒の魔力を帯びていた。
[Magic]《グラビティ・アビス》[/Magic]
[Impact]空間がきしみ、超重量の圧力がアルトの全身を襲う。[/Impact]
銀の甲冑が、内側からきしみ、悲鳴を上げる。
石畳がクモの巣状にひび割れ、アルトは激しく血を吐き、膝をついた。
[A:アルト:絶望][Shout]「が、はっ……! 身体が、沈む……。動か、ない、だと……!」[/Shout][/A]
[A:ユリウス:狂気]「傷だらけで這いつくばる姿が、実にお似合いだな、野良犬。その程度のちっぽけな力で、女を守れるとでも思い上がっていたのか?」[/A]
ユリウスは無造作に歩を進め、床に腰を抜かしたエリシアの顎を強引にすくい上げた。
その長いプラチナブロンドの髪が、ユリウスの冷たい指に絡みつく。
[A:エリシア:悲しみ][Blur]「嫌……! 触らないで……。アルト様、助けて、私を……!」[/Blur][/A]
[A:アルト:怒り][Shout]「エリシアを……その汚い手で触るなッ! 返せ、返せぇッ! たとえ、この魂が引き裂かれようとも……!」[/Shout][/A]
必死に血に染まった手を伸ばすアルト。
だが、その視線の先で、ユリウスはエリシアを軽々と抱き上げた。
[A:ユリウス:冷静]「無駄な足掻きを。この女の高い鳴き声は、帝国でたっぷりと、毎夜、楽しませてもらう」[/A]
ユリウスの冷酷な嘲笑が大聖堂に響き渡る。
アルトの視界は、どす黒い絶望の血の赤へと、ゆっくりと染まっていった。
第2章:抗えない熱と背徳の鎖

ヴァルハイト帝国の最奥に位置する離宮。
月光すら届かない、閉ざされた暗黒の寝室。
そこには、四肢を極上の、だが残酷なまでに強固な絹の縄でベッドに縛り付けられた、エリシアの姿があった。
純白だったはずの神聖ドレスは乱暴に引き裂かれ、汗ばんだ肩から豊かな胸元が、露骨に、そして痛々しく露出している。
[Sensual]
ひんやりとした静寂の中。
彼女の濡れた白い肌を、ユリウスの長い指先がなぞるように走る。
指先が触れる、ただそれだけで、エリシアの張りのある肉体は、びくん、と跳ね上がった。
[A:エリシア:恐怖][Tremble]「や、やめてください……。私は神に召された身、そして……アルト様の……んっ、はぁっ!」[/Tremble][/A]
[A:ユリウス:冷静]「その男の名を私の前で口にするな。お前のすべては、毛穴の一孔に至るまで、すでに私の完全なる支配下にあるのだからな」[/A]
ユリウスの赤い瞳が怪しく光る。
エリシアの下腹部。
そこには、皮膚の下で生き物のように蠢く、禍々しい黒い紋様が浮かび上がっていた。
『快楽管理の魔印』。
赤紫色の光が脈打ち、熱を放ち始める。
それは、被術者の肉体の感覚を術者が思いのままに増幅させ、過剰な快楽の波で精神を徹底的に破壊し尽くす、禁忌の秘術。
[A:エリシア:興奮][Blur]「あ、はぁ……っ! 奥が……お腹の、奥が、熱い……。何、これ……頭が、壊れちゃう、融けちゃう……!」[/Blur][/A]
[A:ユリウス:興奮][Whisper]「お前の身体は、実におとなしく、正直だな。神への無価値な祈りよりも、この、奥底から湧き上がる熱い疼きの方が、ずっと心地よいのだろう?」[/Whisper][/A]
ユリウスの容赦のない、冷徹な愛撫が始まった。
耳裏の薄い皮膚を、ねっとりと湿った舌先が這う。
ちゅ、ぷ、れ、ろ。
濡れた吐息が彼女の鼓膜を震わせ、脊髄へと直接、快感の震動を伝える。
[A:ユリウス:興奮][Whisper]「ほら、見てみろ。ここが、こんなに濡れそびれて、甘い蜜を滴らせているぞ。あの無能なアルトとやらは、ここをこうして愛してくれたか?」[/Whisper][/A]
[A:エリシア:興奮][Tremble]「ひゃぅっ! あ、あぁっ……! だめ、そこは、触ったら……くちゅ、ん、んぅっ……! あ、ああっ!」[/Tremble][/A]
震える太ももの内側をなぞり、秘所の周辺へ。
熟れた果実のように赤く膨らんだ、敏感な蕾。
そこにユリウスの指先が触れ、弾くように擦る。
くちゅ、じゅる。
魔印の力により、通常の数十倍にまで跳ね上がった過剰な快感が、エリシアの脳髄を直接突き刺した。
指先と秘肉が擦れ合う、ねっとりとした生々しい摩擦音が、静まり返った闇に反響する。
[A:エリシア:興奮][Blur]「アルト、様……うそ、私、こんな……ひぃっ! あ、あ、心臓が、破裂しちゃう……! イク、いっちゃうの……ッ!」[/Blur][/A]
[Pulse]激しく暴れるような鼓動[/Pulse]。
エリシアの身体が大きく反り返り、限界を超えた絶頂を迎えようとしたその瞬間、ユリウスがピタリと指を止めた。
「あ……え……っ?」
魔印が冷酷に脈打ち、強制的に彼女の身体に強烈なブレーキをかける。
溜まった熱が行き場を失い、さらに熱く、疼きとなって脳を焼く。
[A:エリシア:悲しみ]「あ……おねがい、止めて、いかせて……私、おかしくなっちゃう……おねがいだから……っ!」[/A]
[A:ユリウス:狂気]「ダメだ。私の許可なく絶頂することは許さん。お前がその心底から、私のためにその蜜壺を濡らし、私に快楽を乞うようになるまでな」[/A]
[A:エリシア:興奮][Tremble]
「あ、あぁ……! そんなの、ひどい、意地悪、です……はぁ、はぁ、身体が、うずうずして、張り裂けちゃう……!」[/Tremble][/A]
唇を噛み締め、何度も抵抗の意志を示そうとしながらも。
彼女の肉体は、ユリウスの与える冷酷で甘美な背徳の熱に、一歩ずつ、深く、奈落の底へと堕ちていく。
[/Sensual]
第3章:引き裂かれた真実と蜜の喘ぎ

漆黒の影となり、帝国の包囲網をかい潜る。
アルトはついに、帝国の離宮、その最奥へと辿り着いていた。
全身、敵の剣刃に刻まれた無数の傷から、血が滴り落ちている。
だが、その琥珀色の瞳に宿る、エリシアを救い出すという執念の焔だけは、消えることなく激しく燃え盛っていた。
[A:アルト:喜び][Think](エリシア……! 待っていてくれ、今、今すぐ助け出す!)[/Think]
冷たくそびえ立つ、豪奢な装飾が施された大扉。
それを、アルトは息を殺し、音もなくゆっくりと押し開けた。
だが、そこで彼の目に飛び込んできたのは、彼のすべて、彼の世界そのものを根底から崩壊させる、最悪の光景だった。
[Sensual]
薄暗い天蓋付きのベッドの中。
四肢を拘束されたままのエリシアが、自ら腰をくねらせ、悶えていた。
プラチナブロンドの美しい髪は、汗と体液でぐっしょりと肌に張り付き、かつての気高さは微塵もない。
純白のドレスはボロ布のように引き裂かれ、床に散らばっている。
その露わになった肢体は、快楽の波に弄ばれ、真っ赤に火照っていた。
[A:エリシア:興奮][Whisper]「んあぅ、あぁっ……! ユリウス、様……おねがい、もう、耐えられない……! もっと、その、熱くて、大きいの、奥、奥に……奥を貫いてぇ……!」[/Whisper][/A]
[A:ユリウス:興奮]「ほう。ようやく、私の名を『様』と呼んだな。だが、まだ足りん。もっと貪欲に、私を求めてみせろ」[/A]
ユリウスはベッド of 端に腰掛け、エリシアの愛液でびしょびしょに濡れそぼる最奥、その花芯へと、自身の猛り立つ楔をゆっくりと、焦らすように押し当てていく。
重なり合う肉と肉。
くちゅ、じゅぷ、ちゅぱ。
結合部から溢れ出た愛液が、お互いの皮膚を濡らし、卑猥な摩擦音を奏でていた。
[A:エリシア:興奮][Tremble]「あ,ああっ……! ユリウス様の……熱い楔、入ってくる……! しあわせ、あ、あ、頭が、お腹が、とろとろに融けちゃう……!」[/Tremble][/A]
[Pulse]肉体と肉体が激しく衝突する生々しい衝突音[/Pulse]。
パン、パン、と肉が跳ねる乾いた音が、アルトの鼓膜を容赦なく引き裂いた。
エリシアの表情。
そこに浮かんでいたのは、苦痛ではない。
まぎれもない、快楽の絶頂に溺れた、淫らで恍惚とした、蕩けた笑みだった。
縛られた手首をガタガタと揺らし、自らユリウスの腰に、白い太ももを深く絡め、貪るように交わりを貪っている。
[A:アルト:絶望][Shout]「え、り……し、あ……?」[/Shout][/A]
掠れた、今にも消え入りそうな声。
その瞬間、激しく揺れていた寝室の時が、凍りついたように止まった。
エリシアの碧眼が、扉の隙間に立つ、ボロボロのアルトを捉える。
一瞬。
彼女の表情は、激しい羞恥と、信じがたいほどの絶望に塗り潰された。
[A:エリシア:悲しみ][Blur]「あ、アルト、様……? うそ、どうして、ここに……いや、見ないで……! そんな目で、私を、見ないでぇッ!」[/Blur][/A]
[/Sensual]
第4章:愛の終焉、そして漆黒の復讐者へ
ユリウスは、繋がったままの状態でゆっくりと、愉悦に満ちた首を巡らせた。
立ち尽くすアルトへと、勝ち誇った、底冷えするような笑みを浮かべる。
[A:ユリウス:冷静]「ほう、ここまで来るとはな。野良犬にしては、なかなかに見事な執念だ。だが……少しばかり、遅すぎたようだな?」[/A]
[A:アルト:絶望][Tremble]「嘘だ……嘘だろ、エリシア! 君は、無理やり……卑劣な手段で、こんな奴に……!」[/Tremble][/A]
アルトが握る銀の剣が、ガタガタと音を立てて激しく震える。
現実から目を背け、必死に目の前の地獄を否定しようとする。
その哀れな姿を見下ろし、ユリウスはエリシアの汗に濡れた顎を優しく撫で、耳元で囁いた。
[A:ユリウス:狂気]「無理やり、か。おい、エリシア。この滑稽で哀れな男に、教えてやれ。お前が今、誰のモノで、誰の熱によって満たされることを魂から望んでいるのかを、な」[/A]
[A:エリシア:悲しみ][Blur]「あ、う……アルト様、ごめんなさい……ごめんなさい……!」[/Blur][/A]
エリシアは涙を流しながらも。
その、自由になったはずの細い指先は、ユリウスの引き締まった胸元を、縋るようにしっかりと握りしめていた。
彼女の指は、もうアルトではなく、ユリウスを求めている。
[A:エリシア:悲しみ][Whisper]「私の身体は……もう、ユリウス様の熱い楔がなければ、生きていけないの……。脳が、身体が、この熱を覚え込んでしまった……。だから、もう、私を忘れて……。私を探さないで、お願いだから……!」[/Whisper][/A]
[Impact]その冷酷な懇願は、アルトの魂を、文字通り粉々に粉砕した。[/Impact]
最愛と信じていた婚約者からの、無慈悲な拒絶。
彼女の身体に刻まれた、鮮烈な背徳の痕跡。
そして今も、アルトから目を背けるように、ユリウスの肉体にしがみついているその淫らな姿。
そのすべてが、アルトがこれまで積み上げてきた正義、愛、忠誠を、根底から嘲笑っていた。
彼の脳内で、何かがパキッ、と完全に折れる音がした。
[A:ユリウス:冷静]「理解できたか? お前が命をかけて救おうとした女は、すでに私の忠実な、雌犬だ。失せろ、敗北者。お前には、ここで殺される価値すら残っていない」[/A]
アルトの琥珀色の瞳。
そこから、最後に残っていた光が、完全に消え失せた。
ガクガクと膝の力が抜け、冷たい大理石の床に、かつて誇り高く掲げていた銀の剣が、乾いた無機質な音を立てて落ちる。
[Think](ああ……そうか。俺が信じ、守ろうとしていた世界は……これほどまでに脆く、無価値なゴミ屑だったのか)[/Think]
喉の奥。
そこから、漏れ出たのは、掠れた、そして狂気を孕んだ笑い声だった。
愛など、とうの昔に死に絶えた。
正義など、圧倒的な力と快楽の前には、何の役にも立たない。
[A:アルト:狂気]「……クク、ハハ、ハハハハハ……!」[/A]
[A:ユリウス:驚き]「何がおかしい? 狂ったか、敗北者」[/A]
アルトは、ゆっくりと、その場に立ち上がった。
その顔からは、先ほどまでの絶望や涙は、跡形もなく消え去っている。
ただ、底知れない、深淵のような漆黒の敵意だけが、静かにその瞳を占拠していた。
足元に落ちた剣を無造作に拾い上げ、鞘に収める。
その動作には、一切の迷いがない。
[A:アルト:冷静]「ユリウス。今ここで、お前を殺しはしない。……いや、お前を殺す価値が、今の俺には、まだないからな」[/A]
[A:アルト:冷静]「だが、刻み込んでおけ。俺はお前たちを、天地がひっくり返ろうとも絶対に許さない。お前の築いた帝国、お前の持つ権力、そして……お前が支配するその、すべての価値あるものを、この俺が、根こそぎ奪い尽くしてやる」[/A]
アルトの瞳は、かつての温かみのある琥珀色から、闇を濃縮し、血を溶かし込んだような、禍々しい深紅へと変貌を遂げていた。
全身から、圧倒的な覇気が立ち上る。
[A:エリシア:恐怖][Tremble]「アルト……様……?」[/Tremble][/A]
その、かつての愛を乞うような、弱々しい問いかけ。
だが、アルトは二度と、彼女に視線を向けることはなかった。
踵を返し、一歩ずつ、重い足取りで闇の向こうへと消え去る背中。
それは、かつての人々に愛された、気高き銀の騎士の姿ではなかった。
ただすべてを破壊し、簒奪するために、地獄の底から這い上がってきた、最悪の復讐者――。
運命の歯車が、いま、不気味な音を立てて、回り始めた。