第一章: 散りゆく造花と冷酷なる神の声
[FadeIn]濃密な錆の臭気と、乾いた血の匂いが鼻腔を焼く。[/FadeIn]
無機質なコンクリートの壁に囲まれた、地下迷宮の底。
凍りつくような冷たい石畳の上で、アリアはゆっくりと目を開いた。
陽光など届くはずもない地底に、不釣り合いなほど美しいピンク色の光の粒子。ホログラムの桜。
その狂気じみた幻想的な光景の中で、背中まで届く銀色の長い髪が冷気をはらんで静かに揺れる。
透き通るような青い瞳が、焦点の合わない視界を必死に彷徨う。
全身を包む機能的な黒のボディスーツ。すでに所々が破れ、摩擦で擦り切れている。
[Pulse]ウィィィン、という耳障りなモーター音が鼓膜を打つ。[/Pulse]
視線の先で、無数の小型ドローンカメラが羽音を立てながら、アリアの柔肌を舐め回すように旋回。
視聴者が投げるギフトが命を繋ぐ狂気のデスゲーム、「エデン」。
奥歯を噛み締め、震える膝に力を込めてアリアは立ち上がった。
シューッ、という甲高い排気音が密室に響き渡る。
通風孔から白濁したガスが噴き出し、瞬く間に空間を埋め尽くしていく。
[A:アリア:驚き]「……ッ、げほっ……!」[/A]
[A:アリア:驚き]「な、なにこれ……頭が、熱い……」[/A]
[Sensual]
吸い込んだ瞬間、肺の奥から溶岩のような熱が全身の血管へと逆流。
甘ったるく、どこか腐敗した果実のような香りが脳髄を直接揺さぶる。催淫ガス。
太ももの内側が、意志に反してピクピクと痙攣を始める。
指先が微細に震え、首筋から鎖骨にかけてのラインに、じっとりとした粘つく汗が滲み出した。
[Heart]ドクン、ドクン。[/Heart]
早鐘のように打つ心音。肌の表面を這う空気のわずかな流れすら、ヤスリで撫でられるような異常な過敏さとなって襲いかかる。
[/Sensual]
その時、頭上のスピーカーから、ノイズ混じりの冷徹な声が降ってきた。
[A:レオン:冷静]「システム起動。プレイヤー番号〇七、生存確認。……無様だな、アリア」[/A]
[Impact]心臓を素手で鷲掴みにされたかのような衝撃。[/Impact]
青い瞳孔が一気に収縮し、呼吸が止まる。
その低音。耳の奥を撫でるような、かつて彼女が何よりも愛し、縋り付いた男の声。
一年前に死んだはずの最愛の元恋人、レオン。
[A:アリア:絶望]「レオン……? 嘘、あなたが……どうして、運営の……!」[/A]
[Tremble]膝から力が抜け、石畳に崩れ落ちる。[/Tremble]
喉の奥で詰まった嗚咽。それは声にならずに漏れた。
スピーカー越しの声は、かつての温もりなど微塵も残していない。
完全にシステムの一部と化した、冷血なゲームマスターのそれ。
[A:レオン:冷静]「生き延びたければ、その服を脱げ。……無防備な肌を晒し、視聴者に媚びろ。それがルールだ」[/A]
[A:アリア:怒り]「ふざけないでっ……! 私は、こんな卑劣な快楽には……絶対に屈しない……ッ!」[/A]
反抗の言葉を叫ぶものの、銀糸の髪は汗に濡れて頬に張り付いている。
吐息はすでに熱を帯び、浅く荒い。
[Sensual]
[A:レオン:冷静]「……泣いてでも従え。お前の命は、もう俺の手の中にある」[/A]
[Whisper]耳元で直接囁かれたかのような錯覚。[/Whisper]
その声を聞いた瞬間、身体の最も奥深い、濡れた洞窟の入り口が、きゅぅっと勝手に収縮した。
憎しみと軽蔑。なのに、耳元で響く彼の低音に対する絶対的な服従と疼きが、理性の堤防を無残に決壊させていく。
抗えない快楽の毒。誇り高き元警察官の魂をドロドロに溶かし始める。
震える指先が、自らの黒いボディスーツのジッパーにゆっくりと掛けられた。
[Glitch]カメラのレンズが、残酷なまでにその屈辱の瞬間を拡大して捉える。[/Glitch]
[/Sensual]
◇◇◇
第二章: 狂気の双眸と甘き寸止め
コンクリートの通路を、裸足の足音がぺたぺたと鳴る。
ボディスーツは胸元から腰にかけて無残に引き裂かれ、透き通るような白い肌が艶かしく空気に晒されていた。
歩を進めるたびに、擦り切れた布地が敏感な肌をかすめる。ビクッ、と震える肩。
その屈辱の姿に、視聴者からのギフト通知音が無機質に鳴り響く。
[A:リリス:狂気]「あはははっ! 最高だよねぇ、その顔!」[/A]
[FadeIn]突如、通路の奥から毒々しいピンク色の光が跳ねた。[/FadeIn]
金と紫のオッドアイが、爛々と狂気的な光を放っている。
ほとんど紐でしか構成されていないサイバーアイドル衣装。毒々しいピンク色のツインテールを揺らす女、リリス。
かつて頂点を極めたトップ配信者であり、自らこのデスゲームに飛び込んできた快楽主義の怪物。
[A:リリス:興奮]「ねえねえ、もっと視聴者様を喜ばせてあげよっか♡」[/A]
[A:アリア:恐怖]「近寄らないで……っ。あなた、自分が何を……」[/A]
言葉を言い終わる前に、床のトラップが作動した。
[Shout]ガシャンッ!![/Shout]
鉄格子が降り、二人は狭い密室へと閉じ込められる。
同時に、天井から透明な特殊スライムが滝のように降り注ぐ。
[A:アリア:驚き]「きゃあっ!」[/A]
身をすくめるアリア。一方、リリスは両手を広げ、恍惚とした笑顔でその粘液を全身に浴びた。
[Sensual]
[A:リリス:興奮]「んあっ……はぁっ、これ、すっごくイイ……!」[/A]
スライムは単なる粘液ではない。
肌に触れた瞬間に神経と結びつき、感覚を何十倍にも鋭敏にする悪魔の罠。
リリスの豊かな双眸が、スライムに濡れて重たげに揺れる。
胸の先端が真っ赤に充血し、硬く尖りきっていた。
彼女はそのまま、濡れた身体でアリアへと擦り寄る。
[A:リリス:興奮]「ほら、無駄な抵抗はやめて、もっと気持ちよくなろうよ?」[/A]
[A:アリア:恐怖]「やめ……触らないでっ……ひぁあっ!」[/A]
リリスの甘い香水の匂いと、スライムの薬品臭。
体温の高いリリスの指先が、アリアの太ももの内側をゆっくりとなぞる。
[Heart]ビクンッ、ビクンッ![/Heart]
過敏になった肌に触れられるだけで、稲妻のような快感が背髄を駆け上がる。
青い瞳孔が限界まで開き、唇から締まりのない喘ぎ声が漏れ出した。
[A:アリア:絶望]「ん……っ、あ……だめ、それ以上は……っ」[/A]
リリスは耳元に顔を寄せ、その甘い吐息を吹きかける。
[Whisper][A:リリス:興奮]「だぁめ。ここでイかせてなんか、あげないよ……♡」[/A][/Whisper]
リリスの指が、秘所の入り口、濡れた花弁の表面だけを執拗に撫で回す。
決して奥には入らず、最も敏感な突起の周囲を円を描くように焦らす。
[A:アリア:絶望]「ああっ……はっ、あ……ッ!」[/A]
背中を弓なりに反らせ、白目を剥きそうになるのを必死に堪えるアリア。
絶頂の一歩手前。あと少しで届くはずの快楽を、残酷なまでに遠ざけられる。
抗いながらも身体の奥が激しく疼き、蜜がとめどなく太ももを伝ってこぼれ落ちる。
甘く苦しい寸止めの背徳感が、理性を完全に破壊しようとしていた。
[/Sensual]
息も絶え絶えに床に這いつくばるアリア。
頭上のモニターが[Flash]バチッ[/Flash]と切り替わり、冷酷な次なるミッションの条件が表示される。
『次なる扉の解放条件:五百万ギフトの獲得』
絶望的な数字。
そして、スピーカーから再び、あの男の声が響き渡る。
第三章: 曝け出される記憶と血濡れの拳
[A:レオン:冷静]「……時間が惜しい。次の指示を出す」[/A]
無機質な部屋の中央。
息を乱しながら、アリアはスピーカーの奥にいる見えない男を睨みつける。
銀色の髪はスライムと汗で首筋に張り付き、青い瞳には軽蔑と消しきれない未練の涙。
[A:アリア:怒り]「まだ……私を慰み者にするつもりなの……っ!」[/A]
[Sensual]
[A:レオン:冷静]「……かつて俺と交わした初夜の記憶を語れ。そして、自らの指でその秘所を慰めろ」[/A]
[/Sensual]
[Impact]時間が、止まった。[/Impact]
アリアの顔から血の気が完全に引く。
十八歳の夜。廃墟の教会の屋上。
満天の星空の下で、不器用な二人が初めて肌を重ねた、誰にも触れさせたくない最も神聖な記憶。
それを、何百万という狂った視聴者の前で、自慰をしながら語れというのか。
[A:アリア:絶望]「……悪魔。あなたは、完全に運営の犬に成り果てたのね……」[/A]
[Sensual]
止めどない涙が、アリアの頬を伝い落ちる。
しかし、病気の妹を救うため、ここで死ぬわけにはいかない。
震える手を、自らの脚の間へとゆっくりと伸ばすアリア。
[A:アリア:悲しみ]「あの夜……っ、星が、綺麗で……」[/A]
[Heart]グチュ……[/Heart]
自らの指先が、濡れそぼった花弁に触れた。
[A:アリア:悲しみ]「あなたが……私の、震える肩を抱きしめてくれて……っ」[/A]
熱を持った自らの楔を、熱い吐息と共に撫でる。
どろりと溢れる蜜。粘ついた音がマイクに拾われ、無数の視線に晒されるという異常な状況が、彼女の底知れぬ背徳感を煽り立てる。
[A:アリア:絶望]「ああっ……んっ……、やだ、こんな、見ないで……ッ!」[/A]
[Pulse]全身の震えが止まらない。[/Pulse]
恥辱と快感が混ざり合い、脳裏を焼き尽くす。
[/Sensual]