ぴっぴの たかい たかい すべりだい
こうえんに、そらまで とどきそうな、たかい たかい すべりだいが ありました。ひよこの ぴっぴは、いつも したから みあげているだけ。
「いいなあ。ぼくも すべってみたいなあ」。でも、かいだんを みると、むねが どきどきして、あしが ふるえてしまいます。
そのとき、うさぎの ぴょんくんが、しゅーっと たのしそうに すべってきました。「ぴっぴも いっしょに やろうよ!きもちいいよ!」
ぴっぴは、ちいさな てで ぎゅっと こぶしを にぎりました。「うん…ぼく、やってみる!」ぴっぴは ゆうきを だしました。
ぴっぴは、とことこ、とことこ。かいだんを いっぽずつ、ゆっくり のぼります。「もうすこし、もうすこし」。
とうとう てっぺんに つきました。ぴっぴは めを ぎゅっと つむって、おしりを すべらせました。「えいっ!」
しゅーっ!かぜが ぴっぴの ほっぺを やさしく なでていきました。「わあ、できた!ひとりで すべりだい すべれたよ!」
ぴっぴの こころは、ぽかぽか あたたかい きもちで いっぱいになりました。ゆうきをだしたら、とっても たのしいことが まっていたのです。
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