第一章: 堕ちた銀の月と共鳴する肉
王都の最下層。汚水と腐敗臭が渦巻くスラムの路地裏、その泥濘(ぬかるみ)に不釣り合いな輝きが落ちている。
月光を吸い込んだような銀髪。かつて最高級のシルクで織られていたであろうドレスは無惨に引き裂かれ、象牙色の肌を露わにしていた。
リリアーナ・ヴェルデ。公爵令嬢としての尊厳は見る影もない。だが、その赤紫の瞳だけは、暗闇の中で燐光を放つ獣のように鋭く、冷ややかに燃えている。
[A:リリアーナ・ヴェルデ:冷静]「……聞こえるかしら、セドリック様?」[/A]
汚れた壁に背を預け、虚空へ向かって唇を動かす女。
その指先が、胸元の破れ目から自身の柔らかな膨らみへと這い上がる。冷たい夜風に晒された突起は、恐怖ではなく興奮で硬く尖っていた。
数時間前。王城の舞踏会場。
シャンデリアの暴力的な光の下で、王太子セドリックは宣言した。『双子の呪い(ジェミニ・カース)』による一方的な感覚共有の罰を。彼女が味わう飢えも、痛みも、絶望も、全てが王太子の脳髄へと流れ込む。そうして彼女を、死よりも酷い「生ける感覚器」としてこの掃き溜めへ追放したのだ。
愚かな男。
リリアーナは唇の端を吊り上げ、嗤(わら)う。
[A:リリアーナ・ヴェルデ:狂気]「貴方が望んだのよ。私の『感覚』を共有したいと」[/A]
躊躇なく、泥にまみれた指をドレスの裾へ潜り込ませる。
絹を裂く乾いた音が路地裏に響く。湿った秘所が、夜気に触れて僅かに収縮した。
◇◇◇
[Sensual]
同時刻、王宮の大広間。
豪奢な晩餐会の最中、セドリック・アークライトは金色の髪を揺らし、国賓たちへグラスを掲げていた。整った顔立ちは自信に満ち、碧眼は未来の繁栄を映している――はずだった。
[Impact]ドクン。[/Impact]
突如、心臓が早鐘を打つ。
下腹部の奥底、決して触れられるはずのない場所に、電流のような痺れが走った。
[A:セドリック・アークライト:驚き]「ぐ、ぅ……ッ!?」[/A]
カシャン、と銀のフォークが皿に落ちる。
貴族たちの視線が集まる中、セドリックはテーブルの縁を握りしめ、脂汗を滴らせた。
熱い。身体の内側から、得体の知れない熱波が突き上げてくる。
誰かの指が、ありもしない「裂け目」を弄っているかのような、幻覚にしてはあまりに鮮烈な触覚。
(なんだ……これは……痛み、ではない……?)
[Think]違う、これは……快楽だ。粘つくような、甘い蜜の味。[/Think]
脳裏に、リリアーナの冷たい嘲笑がフラッシュバックする。
視界が明滅し、遠く離れたスラムの、腐った生ゴミの臭いと混じり合う、濃厚な雌の芳香が鼻腔を突き抜けた。
[A:セドリック・アークライト:恐怖]「あ、あぁ……やめ、ろ……何をして、いる……ッ!」[/A]
[Tremble]ガタガタと椅子が鳴る。[/Tremble]
彼の股間は、意思に反して硬く脈打ち、礼服のズボンをテントのように押し上げていた。
公衆の面前での硬直。
王太子の尊厳が、見えない糸によって操られ、音を立てて崩れ去ろうとしている。
[/Sensual]
第二章: 獣の爪痕、王の恥辱
スラムの支配者、狼の獣人ザルにとって、目の前の女は異質だった。
肉の匂い、血の匂い、そして饐(す)えた体液の匂いが充満するこの場所で、彼女だけが冷たく澄んだ香水を纏っているかのよう。もっとも、そのドレスはボロ布同然で、豊かな胸の谷間も、白磁のような太腿も、惜しげもなく晒されているのだが。
[A:ザル:冷静]「……あァ? 俺に抱けってか。正気かよ、元公爵令嬢サマが」[/A]
ザルは鼻を鳴らし、身長二メートル近い巨躯を見せつけるように腕を組む。
褐色肌に走る無数の古傷。獣耳がピクリと動き、太い尻尾が苛立ちを隠せずに揺れている。
リリアーナは一歩も引かない。むしろ、蛇が獲物を狙うように目を細め、ザルの太い首筋に指を這わせた。
[A:リリアーナ・ヴェルデ:興奮]「ええ。貴方のその……粗野で、乱暴で、獣臭い指が必要なの。……深く、抉るように愛して頂戴」[/A]
[Sensual]
ザルの喉が鳴る。
理屈ではない。目の前の女は、獲物として最高級だ。
彼は粗暴にリリアーナの腰を引き寄せ、その荒れた唇を押し付けた。
ザラリとした舌が口腔を蹂躙し、唾液を貪る。
[Shout]「んんッ……! あぁ……っ!」[/Shout]
リリアーナの背が弓なりに反る。
その瞬間、彼女の脳裏には、王宮の執務室で羽ペンをへし折るセドリックの姿が鮮明に浮かんでいた。
[/Sensual]
◇◇◇
[Sensual]
「ぐ、ぅ……あァッ!!」
王太子執務室。
セドリックは書類の山に顔を埋め、ガタガタと痙攣していた。
口端から涎が糸を引く。碧眼は焦点を失い、白目を剥きかけている。
[Think]汚い……獣の舌が、口の中に入ってくる……! ザラザラして、生臭くて……![/Think]
彼の口内には何もない。だが、感覚だけがリアルに再現される。
太く、硬い指が、内壁を擦り上げる感触。
雄の核を直接鷲掴みにされたような衝撃に、セドリックの腰が勝手に跳ねた。
[A:セドリック・アークライト:狂気]「ひ、ぎぃ……ッ! やめ……そこは、王太子の……あ、あぁぁッ!!」[/A]
[Flash]ビクン、ビクンッ![/Flash]
椅子の上で海老反りになり、彼は虚空に向かって腰を振る。
側近たちが扉の外で不審げに囁き合う声が聞こえるが、止まらない。止められない。
リリアーナが感じている快楽は、増幅され、暴力となって彼の理性を焼き尽くす。
ズボンの染みが、どす黒く広がっていく。
[/Sensual]
第三章: 聖女の仮面、裏切りの宴
限界だった。
プライドも、王位継承権も、どうでもいい。
ただ、この終わらない「遠隔陵辱」から逃れたい一心で、セドリックはお忍びの外套を被り、スラムへと降り立った。
雨が降っている。
冷たい雨粒が、火照った肌を刺す。
路地裏の奥、リリアーナの気配がする廃屋の前で、彼は泥水に膝をついた。
[A:セドリック・アークライト:絶望]「リリアーナ……頼む、許してくれ……もう、耐えられないんだ……」[/A]
扉の隙間から、灯りが漏れている。
そして、聞き覚えのある鈴のような笑い声。
「あはは! ねえ見て、この女の顔! もっと激しくしてあげて、ザル!」
セドリックは凍りついた。
その声は、清廉潔白を謳う聖女ミナのもの。
震える手で扉を押し開ける。
そこには、数人の男たちに囲まれ、四肢を押さえつけられたリリアーナの姿があった。
そして、その光景をワイン片手に楽しげに眺める聖女ミナ。
[Impact]「……ミナ?」[/Impact]
「あら、陛下? ……チッ、見つかっちゃった。ま、いいわ。どうせ貴方、もう廃人でしょ?」
ミナの顔から聖女の仮面が剥がれ落ちる。
彼女こそが、リリアーナを陥れ、セドリックに呪いをかけさせた黒幕。
全ては、高潔な王太子が快楽に溺れ、豚のように鳴く姿を特等席で鑑賞するためだった。
[Sensual]
リリアーナは、男たちの熱気の中で、虚ろな目をセドリックに向けた。
だが、その瞳に絶望の色はない。
むしろ、歪んだ歓喜に濡れている。
[A:リリアーナ・ヴェルデ:狂気]「……見ていらっしゃったのね、セドリック様。……これが、貴方の愛した聖女の正体よ」[/A]
[A:ザル:興奮]「お嬢、コイツら全員相手すんのか? 壊れちまうぞ」[/A]
[A:リリアーナ・ヴェルデ:冷静]「構わないわ。……全部、彼(セドリック)に流し込むから」[/A]
彼女は自ら男の手を引き寄せ、豊満な胸へと導いた。
[/Sensual]
セドリックの脳内で、何かが焼き切れる音がした。
第四章: 崩壊のシンフォニー
翌日。建国記念式典。
各国の王族や使節団が並ぶ中、セドリックは壇上に立っていた。
顔色は土気色で、目の下には深い隈。立っているのがやっとの状態だ。
聖女ミナは彼の隣で、慈悲深い微笑みを浮かべている。
(耐えろ……耐えるんだ……)
だが、スラムの廃屋では、リリアーナによる「最終楽章」が始まろうとしていた。
彼女はスラムの住人たちの前で、最後の布切れを脱ぎ捨てる。
白磁の肌が朝日に輝く。
[A:リリアーナ・ヴェルデ:興奮]「さあ、皆さん。王国の終わりを祝いましょう」[/A]
[Sensual]
彼女はザルを招き入れると同時に、自らの秘所にある「仕掛け」を作動させた。
魔道具による微弱電流と、ザルの容赦ない剛直な楔。
二重の刺激が、リリアーナの許容量を突破する。
[Shout]「あ゛あ゛あ゛あ゛ッッ!!!」[/Shout]
その絶叫は、声帯を通さず、直接セドリックの神経を逆流した。
[/Sensual]
壇上のセドリックが、ビクリと大きく跳ねた。
[A:セドリック・アークライト:狂気]「ひ、ぎぃぃぃぃぃぃぃッッ!!!」[/A]
[Flash]パァンッ!![/Flash]
彼の理性が弾け飛ぶ音が、幻聴として広場に響いた気がした。
厳粛な式典の最中、王太子は白目を剥き、口から泡を吹いてその場に崩れ落ちた。
それだけではない。
彼は虚空を抱きしめるように腕を回し、腰を激しく打ち付け始めたのだ。
[Sensual]
[A:セドリック・アークライト:興奮]「んほォッ! すご、い……! リリアーナ、リリアーナぁぁッ! そこ、壊れる、王太子が壊れ……ッ!!」[/A]
高貴な式典服の股間が濡れそぼり、ついには濃い染みが広がる。
衆人環視の中での、完全なる絶頂。
ミナの引きつった笑顔。
各国の要人たちの凍りついた表情。
[/Sensual]
王国は、たった一人の男の「快楽」によって、その威信を粉々に砕かれた。
第五章: 楽園(エデン)の残骸
王籍を剥奪され、全てを失ったセドリックが辿り着いたのは、やはりあの路地裏だった。
かつての美貌は見る影もなく、痩せこけ、瞳は濁っている。
だが、その表情はどこか憑き物が落ちたように穏やかで――そして、異常なほど従順だった。
[A:セドリック・アークライト:狂気]「……リリ、アーナ……お願いだ……許可を……」[/A]
彼は泥に塗れた床を這い、玉座のように積まれた瓦礫の上に座るリリアーナの足元に縋り付く。
リリアーナは豪奢なドレスを纏い、ザルの膝に寄りかかっていた。
彼女の首筋には、ザルがつけた所有の印(キスマーク)が赤々と咲いている。
[A:ザル:冷静]「ハッ、元王子様が野良犬以下かよ」[/A]
ザルはリリアーナの胸を無造作に揉みしだく。
その刺激がリリアーナを通じてセドリックに伝わる。
ビクン、とセドリックの体が跳ねるが、彼は必死に耐えていた。
許可なき絶頂は、許されないからだ。
リリアーナは冷ややかな目で、かつての婚約者を見下ろした。
愛などない。憎しみさえも、もう薄れている。
あるのは、完全に壊れ、自分なしでは呼吸さえままならない「肉の人形」への、暗い支配欲だけ。
[Sensual]
彼女は素足を伸ばし、セドリックの股間をコツンと踏みつけた。
[A:リリアーナ・ヴェルデ:冷静]「……いいわ。鳴きなさい、セドリック」[/A]
[Whisper]「……いい子ね」[/Whisper]
その言葉は、彼にとっての福音。
[A:セドリック・アークライト:喜び]「あ、あり、がとう……ございます……ッ! あぁぁぁぁッ!!」[/A]
リリアーナがザルと口づけを交わすその横で、元王太子は涙と涎にまみれながら、惨めで幸福な白濁を泥の上に撒き散らした。
[/Sensual]
崩壊した王国の影で、三人の奇妙な共生関係は続く。
それは地獄か、あるいは彼らだけの楽園か。
ただ一つ確かなのは、この『絶頂』の鎖は、死がふたりを分かつまで――いや、死んでもなお、解けることはないということだ。