第一章: 熟成3年目の婚約破棄
エドワード・フォン・アルカディア「貴様のその冷酷な血で、この王宮の床を赤く染めてやる!」
シャンデリアの煌めきを裂き、白銀の宝剣が振り下ろされた。
刃が私の華奢な肩口へ深々と食い込む。
ミリア・ピオニー「ひどいよぉ、エリザ様がいじめるのぉ……っ」
王太子の背後に隠れたミリアが、白いフリルドレスの胸元を強調しながら涙をこぼした。
指の隙間からこちらを盗み見る彼女の唇が、醜く弧を描く。
エドワード・フォン・アルカディア「ミリアに毒を盛った罪、言い逃れはさせん! 貴様のような氷の人形、僕の隣に立つ資格はない!」
ミリア・ピオニー「エドワード様ぁ♥私、怖くて震えが止まらないのぉ……」
エドワード・フォン・アルカディア「安心しろ、ミリア。この女は今ここで処断する!」
取り巻く貴族たちから、嘲笑と軽蔑の吐息が漏れた。
私は銀髪を揺らし、焦点の合わない琥珀色の瞳で眼前の茶番を眺める。
ああ、三年間この窮屈な皮に擬態して待った甲斐がありましたわ!
見栄と嫉妬、浅ましい悪意、傲慢なプライド……空気中の魔素が甘酸っぱく発酵しています!
肩に食い込んだ宝剣から、粘着質な水音が響いた。
溢れ出たのは血ではない。ルビー色に輝く半透明の粘液が、白銀の刀身に糸を引いて絡みつく。
エドワード・フォン・アルカディア「……なっ、なんだこれは!? 剣が、抜けない……!?」
リム・ドロドロア(擬態名「まあ、殿下。あなたのその冷たい視線……とっても甘くて、ドロドロに溶けちゃいそうですわ」
強酸性の粘液が泡立ち、国宝級の刀身を瞬く間に消化して溶かし落とした。
エドワード・フォン・アルカディア「……え?」
柄だけになった剣を握りしめ、エドワードの呼吸が止まる。
私は斬られた肩口をぬるりと接合させ、深紅のベルベットドレスを揺らして一歩踏み出した。
ミリア・ピオニー「う、嘘でしょ……血が一滴も出てないじゃない!」
リム・ドロドロア(擬態名「いいえ、出ていますわよ。私の体液は、鉄分よりも魔素がお好みなんですの」
歓喜に頬の輪郭が緩み、わずかに垂れ下がる。
慌てて表面張力を引き締め、私は半透明に透けた指先で紅い唇をなぞった。
リム・ドロドロア(擬態名「さあ、三年越しのディナーの始まりですわ」
第二章: 嘘つきヒロインの衣裳融解

ミリア・ピオニー「ば、化け物ぉ!? エリザ様が違法な闇魔法を使ったのよぉ!」
ミリアが豊かな谷間から小さなガラス瓶を引っ張り出し、声を裏返らせた。
ミリア・ピオニー「これが証拠よ! 私の紅茶に混ぜようとして、エリザ様が落とした毒薬の小瓶なのぉ!」
エドワード・フォン・アルカディア「そ、そうだ! 貴様、どんな手品を使ったか知らんが、罪は明白である!」
エドワードが後ずさりしながら私を指差す。
彼の額から滲む冷や汗の匂いに、胸の奥の核が甘く疼いた。
リム・ドロドロア(擬態名「あら、ミリア様。あなたが先ほど私のドレスの裾にこっそり擦りつけたその小瓶……」
リム・ドロドロア(擬態名「本当の毒薬は、もう『私の胃袋』の中ですわよ?」
ミリア・ピオニー「はぁ!? な、なにを言ってるの……?」
リム・ドロドロア(擬態名「この深紅のドレス、とても肌触りが良いでしょう? これ、私の体表粘膜そのものですもの」
パチンと指を鳴らす。ミリアの白いフリルドレスの内側が、突如どぎついピンク色に発光した。
さっきすり寄ってきた時、極小の分裂体をお裾分けしておいたのだ。
ミリア・ピオニー「きゃあああ!? な、なにこれ、熱い! ぬるぬるするぅっ!」
純白の生地が内側から細かい泡を立て、ジュウジュウと音を立てて融解し始める。
皮膚は残し、布地の繊維だけを喰らう『選択的消化』。
ミリア・ピオニー「いやぁぁ! 溶ける、服が溶けちゃうぅぅ!」
コルセットが弾け飛び、胸の詰め物と一緒に借金取りの督促状が床にぶちまけられた。
さらに隠し持っていた違法な魅了香水の瓶が割れ、下品な甘い匂いがホールに充満する。
エドワード・フォン・アルカディア「なっ……借金? 魅了香水だと……!? ミリア、貴様、僕を騙していたのか!?」
ミリア・ピオニー「う、うるさいわね! あんたがチョロすぎるのが悪いんじゃないのよ! くたばれ!」
下着すら消化され、ピンク色の粘液まみれで床を這いずるミリアの本性が剥き出しになる。
ミリア・ピオニー「ひっ、あぁ……見ないで、見ないでよぉ……!」
全裸で泡にまみれて泣き叫ぶ彼女から、貴族たちが蜘蛛の子を散らすように逃げ惑う。
リム・ドロドロア(擬態名「前菜の皮むきは完了ですわね。とっても浅ましくて、舌が痺れるお味でしたわ」
私は一歩、壇上のエドワードへ向かって階段を上った。
エドワード・フォン・アルカディア「ひっ……く、来るな! 寄るなぁぁ!」
唇を紫に変えたエドワードが、震える両手を突き出し魔力を練り上げる。
エドワード・フォン・アルカディア「王家の秘伝にて貴様を灰にしてやる! 《極大浄化炎(プロミネンス)》!」
第三章: 王宮を呑み込む深紅のドレス

轟音。白熱する業火の奔流が私の全身を呑み込んだ。
熱波が窓ガラスを全て吹き飛ばし、大理石の床を黒く焦がす。
エドワード・フォン・アルカディア「はあ、はあ……! どうだ、僕の絶対的な魔力の前では、いかなる化け物も塵芥である!」
煙が晴れた壇上に、私の姿はない。
エドワードが引きつった笑みを浮かべ、額の汗を拭った、その時。
天井のシャンデリアから、深紅の雫が彼の頬へポタリと落ちた。
エドワード・フォン・アルカディア「……え?」
リム・ドロドロア(擬態名「まあ……なんて濃厚でスパイシーな魔力の炎ですこと」
頭上の声に、エドワードの首が軋みながら跳ね上がる。
天井一面に張り付いていた深紅のゼリー状の塊が、奔流となって床へと雪崩れ落ちた。
少し乾燥しましたけれど、高純度の魔力を飲み干したおかげで、質量が三十倍に膨れ上がりましたわ!
ホール全体を覆い尽くした『深紅の粘膜の海』。
その中心から、半透明の赤い粘液で形作られた私の裸体の上半身が、ぬるりとせり上がる。
エドワード・フォン・アルカディア「あ、あぁ……なんだ、その姿は……エリザ、なのか……?」
腰を抜かして尻餅をつく彼を、私は豊満に擬態させた胸元を揺らしながら見下ろした。
リム・ドロドロア(擬態名「三年前に病死した本物のエリザ様の遺言、覚えていますか? 『あなたのすべてを、骨の髄まで愛し尽くしたい』……」
リム・ドロドロア(擬態名「私が彼女の肉体も記憶も、未練ごとすべて完食して差し上げましたの。だから今夜、その願いを叶えてあげますわ」
深紅の粘液が巨大なドレスの花弁のように開き、エドワードの両足へ絡みついた。
エドワード・フォン・アルカディア「や、やめろぉ! 離せ、気色悪いぬるぬるを僕につけるなぁ!」
暴れる彼の白銀の礼装が、触れた箇所からシュワシュワと音を立てて溶け落ちていく。
晒された白い肌へ、人肌より少し温かい私の粘膜が隙間なく吸い付いた。
リム・ドロドロア(擬態名「あなたのプライドも、権力も、震える皮膚から滲む冷や汗も……すべて私が濾過して啜り尽くして差し上げますわ」
エドワード・フォン・アルカディア「ひっ……!? 服が、溶けて……あ、ひぁっ……!?」
首筋から胸元、そして無防備な下半身へと、微弱な神経毒を含んだ粘液が這い上がる。
衆人環視の中で尊厳を破壊される屈辱が、彼の奥底に眠っていた歪んだ愉悦のスイッチを叩き壊した。
エドワード・フォン・アルカディア「な、なんだこれ……視界が、チカチカして……君の冷たい目に見下ろされると、僕の身体が……っ♥」
リム・ドロドロア(擬態名「あら、恐怖の汗の中に、とっても甘くて淫らな蜜の味が混ざり始めましたわよ、殿下?」
エドワード・フォン・アルカディア「ち、違う、僕は王太子だぞ……こんな、化け物の体液なんかにぃ……っ!」
リム・ドロドロア(擬態名「強がっても無駄ですわ。あなたの心音、私の粘膜にドクドクと直接響いていますもの」
私は半透明の腕を伸ばし、赤面して痙攣するエドワードを粘膜の海の底へと引きずり込んだ。
第四章: 永遠に溶けないペットの王子様
エドワード・フォン・アルカディア「んっ……はぁ、エリザ……もう、許してくれ……僕が間違っていた……っ♥」
数日後の王太子私室。湿度八十パーセントを超える薄暗い部屋に、くぐもった吐息が響く。
私は再び公爵令嬢の姿に擬態し、深紅のベルベットドレスを纏って椅子で紅茶を傾けていた。
足元で大きく膨らんだドレスのスカートが、ドクン、と生き物のように脈打つ。
リム・ドロドロア(擬態名「あら、エドワード様。婚約破棄は撤回なさらなくて結構ですわよ?」
スカートのスリットをわずかに開くと、深紅の粘液の塊の中から、エドワードの汗まみれの顔だけが覗いた。
リム・ドロドロア(擬態名「だって、夫婦になるより、こうしてあなたを私の『下着の裏地』として着込んでいる方が素敵ですもの」
ドレスの内部は、高密度に圧縮した私の粘膜で満たされている。
一糸まとわぬ姿で収納されたエドワードの全身を、無数の粘膜の突起が絶えず揉みほぐし、搾り上げていた。
エドワード・フォン・アルカディア「ひぐっ……あぁ、ドレスの裏地が、僕の肌にぴったり吸い付いて……全部、吸い出されるぅ……っ」
リム・ドロドロア(擬態名「ええ。あなたの惨めで美味しい冷や汗を、二十四時間いつでも直接粘膜で味わえるのですもの。最高の贅沢ですわ」
ドレスの締め付けを少しだけ強く調整する。
核のすぐ近くで圧迫されたエドワードの身体がビクンと跳ね、甘い悲鳴が漏れた。
エドワード・フォン・アルカディア「あ、あぁぁっ♥き、君のドレスの中、温かくて、ぬるぬるして……僕、もう外の世界じゃ呼吸できないよぉ……」
かつて私を氷の人形と罵った傲慢な王太子は、今や涙と涎を垂らして私の太ももに頬を擦りつけている。
私は半透明のゼリー状に溶かした指先で、彼の震える唇を優しく撫で上げた。
リム・ドロドロア(擬態名「ええ、外になんて出してあげませんわ。一生私の体の中で、極上の絶望と快楽を発酵させ続けてくださいませ」
エドワード・フォン・アルカディア「は、はいぃ……僕は、エリザのペットです……もっと、溶かしてぇ……っ♥」
リム・ドロドロア(擬態名「良いお返事ですわ、私の愛しい人間エキス供給源様♥」
パチンと指を鳴らすと、ベルベットドレスのスリットが隙間なく閉じた。
くぐもった甘い喘ぎ声と、粘膜が彼の汗を啜る水音だけをスカートの中に響かせながら、私は冷めきった紅茶を優雅に飲み干した。