第一章: 偽りの追放
耳障りなノイズだ。王都の石畳を叩く雨音は、クロードの思考を阻害する。
水たまりに映る自身の姿――乱雑にかき上げられた漆黒の髪、鼻梁に乗った銀縁の鼻眼鏡、そして薬品の染みがついた白衣。薄汚れた外見とは裏腹に、ポケットにねじ込まれた両手の指先だけは、陶磁器のように白く、病的な美しさを保っていた。
[A:セレスティア・アークライト:冷静]「……臭いますわね」[/A]
鈴を転がすような美声。だが、その響きは氷点下のように冷たい。
大神殿の聖女、セレスティア。雨粒一つ寄せ付けぬ魔法障壁の中、アメジスト色の瞳でクロードを見下ろしている。純白の修道服、その深いスリットから覗く艶めかしい太腿に、周囲の衛兵たちがゴクリと唾を飲み込んだ。
[A:セレスティア・アークライト:冷静]「あなたの作るポーション、効果が地味すぎますの。それに何より……その薬品臭さ。生理的に無理ですわ」[/A]
[A:シルヴィア・レオンハート:怒り]「セレスティア様の言う通りだ! 貴様の支援などなくとも、我々の力だけで魔王など容易く倒せる!」[/A]
ガチャリ、と白銀の鎧が鳴る。
女騎士シルヴィアが一歩進み出た。高く結い上げた金髪が揺れ、切れ長の碧眼がクロードを射抜く。彼女の身体から漂うのは、戦場に染み付いた微かな鉄と汗の匂い。
クロードは鼻眼鏡の位置を人差し指で正し、感情のない声で事実のみを告げた。
[A:クロード・ヴァレンタイン:冷静]「非効率だね。僕の調合した『抑制香』がなければ、君たちの魔力回路は暴走する。特にシルヴィア、君のその……過剰なまでの発汗は、単なる代謝の問題じゃない」[/A]
[A:シルヴィア・レオンハート:怒り]「黙れ! 貴様の戯言など聞き飽きた! さっさと荷物をまとめて消え失せろ!」[/A]
[Shout]ガァンッ!![/Shout]
投げつけられた小袋が、クロードの足元で弾ける。泥水に散らばる黄金の輝き。
[A:クロード・ヴァレンタイン:冷静]「……なるほど。これが手切れ金というわけか。いいだろう」[/A]
金貨を拾おうともせず、彼は踵を返した。
その手には、いつの間にか小さなガラス瓶。コルク栓を親指で弾き飛ばす。雨音に紛れ、紫色の煙がごくわずかに漏れ出した。
[Sensual]
甘く、重く、脳髄を直接撫で回すような残り香。
雨の匂いすら塗り替え、彼女たちの鼻腔へと侵入する背徳の芳香。
ビクリ、とシルヴィアの肩が不自然に跳ねた。セレスティアが、無意識に自身の太腿を擦り合わせる。
だが、彼女たちはまだ気づかない。それが破滅へのトリガーであることを。
[/Sensual]
[A:クロード・ヴァレンタイン:狂気]「さあ、禁断症状(ウィズドロー)の始まりだ。精々、その高潔な理性がいつまで持つか……観察させてもらうよ」[/A]
[Think]サンプルデータの収集完了。フェーズ2へ移行する。[/Think]
雨のカーテンの向こうへ、クロードは音もなく溶けていった。
◇◇◇
第二章: 蝕まれる理性
帝国スラム街の最奥。腐った木材と安酒の悪臭が充満する路地裏に、一軒の奇妙な店があった。
看板はない。ただ、ドアの隙間から漏れ出す極上の芳香だけが、魔性のように客を招き入れている。
[A:ミラ:興奮]「ねぇマスター、今日の売り上げもヤバいよ? 帝国の貴族ども、あんたの香油がないと夜も眠れないってさ」[/A]
カウンターで足を組むのは、褐色の肌にボンテージ風の衣装を纏ったサキュバス、ミラだ。紫のメッシュが入った黒髪を揺らし、クロードの背中にねっとりと視線を絡ませている。
[A:クロード・ヴァレンタイン:冷静]「金などどうでもいい。それより、王国の動向は?」[/A]
フラスコの中身を揺らしながら、顕微鏡を覗き込むクロード。
[A:ミラ:喜び]「あー、そっち? 傑作だよ。あの女騎士、最近じゃ剣もまともに握れないらしいじゃん」[/A]
[Magic]《遠見の水晶》[/Magic]
ミラが指先を弾くと、空中に映像が浮かび上がる。
森の中、魔物と対峙するシルヴィア。しかし、かつての英雄的な姿は見る影もない。
[Sensual]
[A:シルヴィア・レオンハート:悲しみ]「くっ……はぁ、はぁ……! なぜだ……力が……入らない……ッ!」[/A]
剣を杖にして、辛うじて立つ女騎士。
白銀の鎧の下、肌は灼熱のように熱く、全身から止めどない汗が噴き出している。
太腿が小刻みに震え、膝が内側に折れ曲がる。
魔物が襲いかかるわけでもない。ただ立っているだけで、彼女の肉体は未知の疼きに悲鳴を上げていた。
鎧の裏地が擦れる感触だけで、脊髄を電流が駆け抜ける。
[A:シルヴィア・レオンハート:恐怖]「あ、あぁ……熱い……誰か、誰か鎮めて……!」[/A]
自身の胸を掻きむしるシルヴィア。硬く尖った双丘が鎧に押し付けられ、先端が擦れるたびに、甘ったるい嬌声が漏れ出した。
[/Sensual]
[A:クロード・ヴァレンタイン:冷静]「交感神経の遮断、およびドーパミン受容体の過剰反応。予想通りだね。僕の香りが供給されなくなったことで、彼女の『雌』としての本能が逆流している」[/A]
[A:ミラ:冷静]「あんたホント、いい性格してるよ。で? いつまで放置すんの?」[/A]
[A:クロード・ヴァレンタイン:冷静]「向こうから来るさ。野生動物は、餌の匂いを決して忘れないからね」[/A]
その予言は、あまりにも早く現実となる。
◇◇◇
第三章: 最初の陥落
[Shout]バンッ!![/Shout]
轟音と共に、店の扉が蹴破られた。
逆光の中に立つ影――ボロボロのマントを羽織ったシルヴィア。
かつての輝くような金髪は汗で頬に張り付き、充血した碧眼は焦点が定まっていない。
[A:シルヴィア・レオンハート:怒り]「見つけたぞ……クロード……! 貴様が……貴様が私に何をした……ッ!」[/A]
剣を抜こうとするが、指が痙攣し、柄を握りしめることさえ叶わない。
店内には、クロードが特別に調合した『本能解放の香』が充満している。
[A:クロード・ヴァレンタイン:愛情]「いらっしゃい、シルヴィア。随分と……熟れた匂いをさせているじゃないか」[/A]
[A:シルヴィア・レオンハート:怒り]「黙れ……! 殺してやる……この呪いを解け!」[/A]
よろめきながら歩み寄るシルヴィア。だが、彼との距離が縮まるにつれて、膝の震えは激しさを増していく。
クロードの白衣から漂う匂い。それが鼻腔をくすぐった瞬間、彼女の脳内で何かが弾けた。
[Sensual]
[A:シルヴィア・レオンハート:興奮]「ひあぁぁぁっ!?」[/A]
崩れ落ちる女騎士。
石床に膝をつき、四つん這いになる。意思とは裏腹に、身体がクロードの靴先に擦り寄っていく。
抗えない。細胞の一つ一つが、この男の匂いを『主』だと認識している。
[A:クロード・ヴァレンタイン:冷静]「立てないのかい? 王国最強の騎士様が、無様なものだね」[/A]
しゃがみ込み、シルヴィアの顎を指先で持ち上げるクロード。
汗と涙で濡れた彼女の顔は、屈辱と快楽で赤黒く染まっていた。
[A:シルヴィア・レオンハート:悲しみ]「くっ、殺せ……! こんな、こんな恥ずかしい思いをするくらいなら……!」[/A]
[A:クロード・ヴァレンタイン:愛情]「殺してほしいのかい? それとも……これが欲しいのかな?」[/A]
取り出したのは、琥珀色の液体が入った小瓶。
蓋を開けた瞬間、濃厚な甘い香りが爆発的に広がる。
[Heart]ドクンッ![/Heart]
シルヴィアの瞳孔が開ききった。呼吸が荒くなり、口元から透明な雫が糸を引く。
[A:シルヴィア・レオンハート:興奮]「あ……あぁ……それ……いい匂い……欲しい……ください……」[/A]
[A:クロード・ヴァレンタイン:冷静]「選べ、シルヴィア。騎士としての誇りを抱いてここで干からびるか、その小瓶の中身を舐めて、僕のペットになるか」[/A]
ビクリと跳ねる肉体。
誇り。規律。今まで積み上げてきた全て。
だが、目の前の小瓶が放つ魔力の前では、それらは塵芥に等しかった。
[A:シルヴィア・レオンハート:興奮]「騎士なんて……いらない……。私は……私は……雌です……ッ! お願いします、ご主人様ぁ……ッ!」[/A]
犬のように舌を突き出し、クロードの靴を舐めるかつての英雄。
プライドが砕け散る音。
それはクロードにとって、どんな音楽よりも甘美な旋律だった。
[/Sensual]
◇◇◇
第四章: 配信される醜態
帝国の貴族たちが集うサロン。その中央、巨大な魔法スクリーンに映し出されたのは、衝撃的な映像だった。
[System]現在、視聴者数 3,000,000人突破[/System]
帝国一の高級娼館、そのステージ。
スポットライトを浴びているのは、シルヴィア・レオンハート。
だが、そこに騎士の面影はない。身につけているのは、極限まで布面積を削ったボンテージのみ。
[Sensual]
[A:シルヴィア・レオンハート:興奮]「あぁんっ♡ 見てぇ……もっと見てくださいぃ……! 私のここ、ぐちょぐちょなんですぅ……♡」[/A]
全身にクロード特製の『感度3000倍オイル』を塗られ、自身の豊満な胸を観衆に見せつけるように押し潰す。
見開かれた瞳はハートの形に歪み、口からは止めどない愛の言葉と嬌声が垂れ流されていた。
観客の男たちが投げる硬貨が、濡れた肌に張り付く。
[A:シルヴィア・レオンハート:興奮]「ご主人様のオイル……すごいのぉ……ッ! 頭おかしくなっちゃうぅぅ……ッ!!」[/A]
[/Sensual]
その映像を、王都の宿屋の一室でセレスティアは見ていた。
[A:セレスティア・アークライト:怒り]「な……何ですの、これは……! 破廉恥にも程がありますわ!」[/A]
震える手で杖を握りしめる。
怒りではない。嫉妬だ。
あの場所で、あの男に弄ばれているシルヴィアが、どうしようもなく羨ましい。
聖女としての仮面の下、抑圧された淫蕩な血が騒ぎ出していた。
[Think]あんな顔……私は知らない。あんな幸せそうな顔、私は一度だってしたことがない……![/Think]
背後から扉が開く音。
ふわりと漂う、懐かしくも恐ろしい、あの薬品の香り。
[A:クロード・ヴァレンタイン:愛情]「迎えに来たよ、聖女様。君も『治療』が必要だろう?」[/A]
振り返る間もなく、視界が暗転する。
鼻と口を覆うハンカチ。吸い込んだ甘い毒気が、瞬時に彼女の理性を溶かしていった。
[Sensual]
[A:セレスティア・アークライト:興奮]「んんっ……!? この匂い……あぁ……待ってた……ずっと……!」[/A]
聖女の膝から力が抜け、白目を剥いて崩れ落ちる。
床に広がる聖女の服。その下半身は、すでに自分自身の蜜で地図を描いていた。
[/Sensual]
◇◇◇
第五章: 堕ちる幸福
帝国の一角に、新たな伝説が生まれていた。
『背徳のハーレム香油店』。
その店の奥座敷では、かつての勇者パーティが、新たな「任務」に勤しんでいる。
[Sensual]
[A:シルヴィア・レオンハート:愛情]「ご主人様ぁ……次のお薬、まだですかぁ? シルヴィア、いい子で待ってますよぉ……♡」[/A]
首輪をつけられたシルヴィアが、クロードの足元に頬ずりをする。彼女の眼差しには、かつての鋭さは微塵もない。あるのは、飼い主に愛を乞うペットの純粋な依存だけだ。
[A:セレスティア・アークライト:愛情]「ずるいですわ、泥棒猫! クロード様の指先を舐めるのは私の番ですのよ……んちゅ……れろ……っ♡」[/A]
クロードの右手を抱き抱え、その美しい指を一本ずつ口に含み、丁寧に奉仕するセレスティア。聖女の祈りを捧げるための唇は、今や男の快楽を吸い上げるための器官に成り下がっていた。
[A:ミラ:喜び]「あーあ、完全に出来上がっちゃってるね。ま、店も繁盛してるし、ウィンウィンってことで」[/A]
[/Sensual]
自身の周りで嬌声を上げるかつての英雄たち。クロードはそれを見下ろし、静かに紅茶を啜った。
鼻眼鏡の奥の瞳には、冷徹な観察者の光と、歪んだ所有欲が混ざり合っている。
[A:クロード・ヴァレンタイン:冷静]「……いい匂いだ。嘘と虚飾にまみれた英雄の体臭より、欲望に正直な雌のフェロモンの方が、よほど科学的で美しい」[/A]
黒革の手帳を開き、万年筆を走らせる。
[Think]被験体名:元勇者パーティ。
状態:完全依存。自我の崩壊を確認。
処方箋:『永続的快楽』の投与を継続する。
結論:彼女たちは、堕ちることで救われたのだ。[/Think]
[A:クロード・ヴァレンタイン:愛情]「さあ、実験を続けようか。夜はまだ長い」[/A]
指を鳴らすと、部屋の照明が落ち、妖艶な紫色の煙が立ち込めた。
闇の中で響くのは、理性のタガが外れた女たちの、歓喜の絶叫だけだった。
[System]クエスト完了: 『勇者パーティの完全攻略』[/System]